「歯の根っこの治療が必要です」と言われたことのある人は多くいるのではないでしょうか?
実際に歯の根っこの治療を受けるには何度か歯医者さんに行かなくてはならず、ちょっと面倒だなと感じられた方も中にはおられると思います。
根管治療と呼ばれるものは根っこの中を消毒・殺菌したり、お薬をつめたりと様々な工程が必要なので、数回の治療というものが必要になります。
また根っこの中というのは形が違っていたり、根っこの本数も人によって、歯によってそれぞれなのです。
そのため治療回数は異なってくるんですね。
「少ない回数で治療してほしい」
「そもそもどのぐらい回数が必要なの?」
「平均的な回数は?」
今回はそんなお悩みの方に根管治療の回数や期間についてお伝えできればと思います。
ぜひ今回の記事を読んでいただき歯医者さん選びの参考にしてみてくださいね。
根管治療に必要な治療回数
※上記の回数は医療法人湧光会アスヒカル歯科よりデータ参照
歯の根っこの治療の回数は治療の条件によって変わります。
その理由は、前歯と奥歯での根っこの数に違いがあり、また初めて治療をするか再度治療をするかで難易度が変わってくるからです。
想像してみてください。1つの管を掃除するのと、複数ある管を掃除するのでは、複数ある管の方が時間が必要ですよね。
ですので治療回数に差が出てしまいます。
では今から4つの条件で回数を見ていきましょう!
回数が少ない順に書いています!
前歯の神経を取る治療(1〜2回)
根管治療(歯の根っこの治療:以下根管治療と記す)と呼ばれるものは、膿んでしまった神経をかき出し、根っこの中を消毒して殺菌し、そして隙間からの感染を防止するためにゴム状の詰め物(薬)を詰めるという工程が必要です。
また前歯は奥歯に比べて、根っこの数も少なく、1つの根っこのことが多いです。1つの根っこのみの治療であれば比較的早く、1回の治療でお薬を詰める作業までできることもあります。
奥歯の神経を取る根管治療(2〜3回)
治療の流れは前歯と奥歯で同じことですが、奥歯は前歯に比べて根っこの数も多く、2〜4つの根っこがあります。
この全てに治療をしていく必要があるので前歯よりも治療回数はかかってしまうのです。
ですので平均でも治療回数は2〜3回は必要です。
前歯の再根管治療(3〜4回)
上記と比べて、これまでにも根管治療をしてきていて、再度治療が必要になってしまった方はもっと難関!
前歯であったとしても3〜4回は治療が必要です。
多くの方は、根管治療をした後銀歯など何かしら歯の形をした被せ物を入れられている方が多いと思います。
その被せ物を外し、中に入っている土台も外し、さらには中に入っているお薬を外すという工程が追加として必要になってきます。
これを外すことも大変ですがそれだけではありません。
細菌が歯の中で蔓延している、神経を取った歯ですでに歯が弱っている、という難関が待ち構えています。
ですので、たとえ根っこの数が少ない前歯であっても治療回数は3〜4回は必要となってきます。
奥歯の再根管治療(4〜5回)
もうお分かりだと思いますが、再度治療が必要になった奥歯の治療はさらに大変!
平均でも4〜5回は治療が必要です。
根っこの管の数が多い上に被せ物や土台を外したり、細菌が蔓延していたり、治療をする側も頭を悩ませることが多いです。
もちろん治療回数も一番多くかかるのは奥歯の再根管治療です。
ですので平均でも4〜5回は必要になります。
再根管治療の詳しい記事はこちら→【根管治療のやり直し】
奥歯の根管治療の詳しい記事はこちら→【奥歯の根管治療とは】
- 根管治療の工程と終了期間に関する動画です。
- 5分19秒の動画となっております
治療回数に差が出る原因
治療回数に差が出る原因は大きく4つあります。
根管治療というものは、術者にとっても大変難しい治療です。
第一章でお話ししたことは、根っこの先が真っ直ぐ生えており治療しやすい場合の平均回数です。
しかし実際にはもっと複雑なケースが多数存在します。
想像してみてください。自分の根っこの中が図のように枝分かれしていたり、根っこの先が大きく曲がっているところを。
治療すること、とても難しく感じますよね。
根っこの中というのは人によって形は様々ですし、同じ人の歯であったとしても、場所によっては複雑な根っこが含まれていることもあります。
また再治療の方は被せ物や土台を外す過程が必要になりますが、土台の部分が大きければ大きいほど、除去をするのに時間を有しますし、できるだけ歯を傷つけずに気をつければ気をつけるほど、土台を外すのにも時間が必要になるのです。
このため根管治療というのは回数に個人差が出てきてしまいます。
それでは今から特に難しい場合の例を4つあげていきましょう。
神経の通り道が枝分かれしている
神経の通っている管が先で枝分かれをして迷路のようになっていることがあり、治療回数を有してしまうことがあります。
なぜなら、枝のように分かれているところを全て消毒するということが難しいからです。
もし消毒が行き届いていないと、根管治療の再発にもつながります。
想像してみてください。
細く、複数にもなっている根管に、消毒液を流し込み殺菌することを。
難しいですよね。
ですので神経の通り道が枝分かれしていると、治療回数が平均よりも多く必要になってきます。
根っこの中の管が硬く通り道が塞がっている
上のレントゲン画像を見てもらいたいと思います。
黄色い矢印の歯には黒い線が見えますよね?
これが神経の通り道です。
この通り道がはっきりとわかる場合は治療もしやすいですが、硬く塞がってしまっている場合の治療は大変!
塞がっていても病気ができていなければ治療をしなくていいこともあります。
しかし、病気ができている場合は治療が必要です。
もちろん治療回数は通常よりかかることも分かりますよね。
「塞がっているのに治療ができるの?」
このような思いをされたのではないでしょうか。
実は、術式次第でこの塞がってしまった管を開けられることもあります。
また例え開けられなかったとしても開くところまでしっかりと掃除をしてあげると62.5%の確率で良くなることがデータにも出ています。
(引用元:The prognosis for Endodontics Treatment of Obliterates Root Canals Anna Akerblom. DDS. And Gunnar Hasselgren. DDS. PhDJ Ended vol. 14 No.11,November 1988)
それでも難しく、病気が無くならない場合は外科処置をすることで病気を取り除けることもあります。
いずれにせよ、塞がってしまい病気ができている根管を治療するには、回数も通常より多く必要となります。
見落とされがちな根管が潜んでいる
見落とされがちな根管が潜んでいる場合があります。
通常は3本の根っこでできていると思われがちですが、もう1つの根っこがあることに気づかずそのまま見過ごされることもこれまでは多かったのです。
しかし、C T撮影が可能になったり、マイクロスコープを使うことで発見されることも多くなり、この根っこの治療が重要視されるようになりました。
もしこの根っこの発見がされないと、その根っこが原因で再治療になる頻度も高かったという結果も出ています。
(引用元:Hone MM, Pink FE :Contemporary endodontic retreatments: an analysis based on clinical treatment findings. J Endod, 28: 834-836,2002)
これほど見つけにくい根っこであり、見つかった後も他の根っこと同様に消毒をしていかなくてはならないので、治療回数も通常より必要になります。
根っこの先が曲がっている
レントゲン写真のように根っこの先がクイーンとまがった根っこの場合もあり、曲がった根っこも治療が難しく、治療回数に差が出る原因とされています。
根っこの治療に欠かせないのがこのファイルと言われる道具!
真っ直ぐな根っこであれば道具も使いやすいですが、根っこの先が曲がっていると道具を使いこなすのもそれだけ難しくなります。
最近ではニッケルチタンファイルと呼ばれる、先まで曲がってくれる道具も出てきており、治療が以前よりは可能になってきました。
↑ニッケルチタンファイル
それでも通常の根管治療よりは回数も多く必要になります。
まとめ
このように根管治療というものは形が様々な場合が多数存在します。
・根っこの先が枝分かれしている
・根っこの中の管が硬く通り道が塞がっている
・見落とされがちな根管が潜んでいる
・根っこの先が曲がっている
ですので治療回数にもそれだけ差が出てくるのです。
治療期間についての詳しい記事はこちら→【根管治療の期間について】
治療回数が少ない場合と多い場合の違い
少ない(1回)ですむ根管治療の症状・状態
治療回数が少ない回数でできるものであげると、前歯を初めて根管治療をするというケースです。
今まで治療経験がなく神経の入り口がはっきりと分かる状態であればスムーズに治療が進むことが多いです。
また回数が少ない方の多くは症状が分からない、感じないことも多いです。
痛みについての詳しい記事はこちら→「根管治療を受けて今まさに痛いあなたへ!今すぐ可能な痛みの緩和方法」
複数回の治療が必要な根管治療の症状・状態
前述したとおり、根っこの中が複雑な場合、再治療が必要な場合の方は複数回治療が必要となります。
しかし、ご自身で根っこの中が複雑かどうかを見つけることはできません。
ですので根管治療が必要と言われたかたや、歯に違和感がある方は速やかに歯科医師に相談することが最善です。
また、痛みが続く場合や、再治療の方で排膿(膿が出ること)が続く場合なども治療回数が多くかかる1つの症状と言えます。
- 根管治療の痛みに関する動画です
- 5分9秒の動画となっています
治療回数を減らすことは可能?
結論的には可能です
根管治療に大切なことは再治療なく治すこと
根管治療の本当に大切なことは回数を少なくすることではありません。
できる限り再治療なく、歯として長く使っていくことが大事です
根管治療というものは複雑かつ難しい治療です。
根っこの中が先で枝分かれしていたり、入り口が塞がっていたりと、困難な場合が多いのです。
ですので少ない回数、期間での治療が困難な場合があります。
どうでしょうか?
「歯をしっかりと残していきたいと思われますか?」
「入れ歯にはなりたくないとお思いですか?」
根管治療は歯を残していくための最終手段に近い治療です。
出来る限り再治療なくきちんと治したいと思っているのであれば、しっかりとした検査・診断と、知識・技術のあるところで治していただくことをおすすめいたします。
根管の中の複雑さは肉眼でお口の中を見ただけではわかりません。
ですので回数で考えるよりも根管の中を見ることができる設備、治療技術を兼ね備えた歯医者さんを選ぶことがなにより重要です。
アスヒカル歯科の根管治療の特徴
カウンセラーと予約や治療について相談できる
アスヒカル歯科ではカウンセラーによるお話のお時間をとることが可能です。
来られた患者様の予定や、希望の時間帯などをお話ししながら決めていくことができます。
ですので、1回で治療を終わらせてしまうことは難しいことが多いですが予定を相談できるので、予定を作りやすいと思います。
マイクロスコープ(顕微鏡)・CTがあることで複雑な根管を見つけ、治療ができる
当医院ではCTやマイクロスコープなどの器材があり、歯の根っこの複雑な形や状態をしっかりと確認しながら治療を進められます。
C Tを取ることで、またマイクロスコープで歯の中を覗くことで分かる情報はたくさんあります。
機材が揃っていることも、根管治療を再発させないために欠かせないことの1つの大事なことなのです。
また、根っこの治療というのは治療後の経過を見ることも大切ですが、そちらもしっかりと管理しながら確認もさせていただいておりますのでご安心下さい。
アスヒカル歯科には根管治療専門医がいる
そして何よりも大切なことは術者の治療に対する技術です。
アスヒカル歯科の院長はAAE(アメリカ歯内療法学会)の専門医です。
⇨根管治療専門医です。
術者もかなり研究を行い治療に専念しておりますのでご安心ください!
しっかりと相談して治療を受けたいと思われる方はぜひお問い合わせお待ちしております。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「根管治療」きちんと治したいと思われるのであれば、それなりに治療回数が必要です。
そしてより専門的な医院に相談することがとても大切です。
根っこの中はとても複雑、かつ治療が難しいからです。
「きちんと治したい!」「仕事の都合と合わせたい!」とお思いの方、
忙しい中でも、ご自身の予定を一緒に考えてくれる医院を、そしてより専門的な医院を、ぜひ見つけてみてくださいね。
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