歯医者さんに行き、「次回から根っこの治療をしましょう」と言われたことのある人は多いのではないでしょうか?
今までも治療経験があり、根っこの治療はなんとなく「長い」というイメージをお持ちの方もおられると思います。
根管治療と呼ばれるものは、根っこの中を消毒・殺菌したりお薬をつめたりと、様々な工程が必要なので確かに数回歯医者さんには通わなければなりません。
また、根っこの中というのは形が違っていたり、根っこの本数も人によって、歯によってそれぞれなのです。
そのため、治療回数や期間が異なってくるのですね。
しかし、「長く続きすぎている」「こんなにも治療に通っていてもまだ治らないの?」
こんな疑問を持たれている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は根管治療の平均的な期間について、「根管治療が長く続いてしまうことは大丈夫なのか」について徹底解説したいと思います。
ぜひ、今回の記事を読んでいただき、歯医者さん選びの参考にしてみてくださいね。
5分ほどの動画です!見てください!
目次
1根管治療に必要な期間
1−1一般的な保険診療での根管治療の期間
↑上記の表は1回の治療回数を1週間ごとにみた期間で、1回の治療時間も30分で治療したものとして示しています。
※上記の回数は医療法人湧光会アスヒカル歯科よりデータ参照
歯の根っこの治療の期間は治療の条件によって変わります。
その理由は、前歯と奥歯での根っこの数に違いがあり、また初めて治療をするか再度治療をするかで難易度が変わってくるからです。
1つの管を掃除するのと、複数ある管を掃除するのでは、複数ある管の方が時間を必要としますよね。
ですので、治療期間に差が出てしまいます。
また、保険診療でこれ以上に期間が短い場合は治療がきちんと行き届いていない場合もあるぐらい、根管治療は複雑です。
では、今から4つの条件で期間についての記事を見ていきましょう!
1−1−1前歯の神経を取る治療(2〜3週間)
前歯の神経を取る治療期間は2〜3週間程度です。
根管治療(歯の根っこの治療:以下根管治療と記す)と呼ばれるものは、膿んでしまった神経をかき出し、根っこの中を消毒して殺菌し、そして隙間からの感染を防止するためにゴム状の詰め物(薬)を詰めるという工程が必要です。
また、前歯は奥歯に比べて、根っこの数も少なく、1つの根っこのことが多いです。1つの根っこのみの治療であれば比較的早く、2〜3回の治療でお薬を詰める作業までできることもあります。
1−1−2奥歯の神経を取る根管治療(3〜4週間)
治療の流れは前歯と奥歯で同じことですが、奥歯は前歯に比べて根っこの数も多く、2〜4つの根っこがあります。
この全てに治療をしていく必要があるので、前歯よりも治療回数はかかってしまうのです。
ですので、平均でも治療期間は3〜4週間は必要です。
1−1−3前歯の再根管治療(4〜5回)
上記と比べて、これまでにも根管治療をしてきていて、再度治療が必要になってしまった方はもっと難関!
前歯であったとしても4〜5週間は治療期間が必要です。
多くの方は、根管治療をした後に銀歯など「何かしら歯の形をした被せ物」を入れられている方が多いと思います。
その被せ物を外し、中に入っている土台も外し、さらには中に入っているお薬を外すという工程が追加として必要になってきます。
これを外すことも大変ですが、それだけではありません。
細菌が歯の中で蔓延している、神経を取った歯ですでに歯が弱っている、という難関が待ち構えています。
ですので、たとえ根っこの数が少ない前歯であっても、治療期間は4〜5週間は必要となってきます。
1−1−4奥歯の再根管治療(5〜6回)
もうお分かりだと思いますが、再度治療が必要になった奥歯の治療はさらに大変!
平均でも5〜6週間は治療期間が必要です。
根っこの管の数が多い上に被せ物や土台を外したり、細菌が蔓延していたり、治療をする側も頭を悩ませることが多いです。
もちろん、治療回数も一番多くかかるのは奥歯の再根管治療です。
ですので、平均でも5〜6週間は治療期間が必要になります。
1−2アスヒカル歯科の自費根管治療の期間について
↑1回あたりの治療時間を60分とした場合の表。期間についても1週間間隔で記入しています。
当医院での根管治療は、1回あたりの時間を60分〜90分頂戴して丁寧に治療を行なっております。
根管の本数や神経を取る治療・再治療によって回数や期間に変動があるのは、自費の根管治療になっても同じことです。しかし、1回あたりの時間を長めにとるので、集中して複数の根管を掃除することが可能なのです。
また、膿が出るなどの症状がなければ、3日に1回の間隔で来院することができますので、上記の期間よりも短い通院期間にすることが可能です。
2治療期間に差が出る4つの原因
治療期間に差が出る原因は、大きく4つあります。
根管治療というものは、術者にとっても大変難しい治療です。
第一章でお話ししたことは、根っこの先が真っ直ぐ生えており治療しやすい場合の平均的な期間です。
しかし、実際にはもっと複雑なケースが多数存在します。
自分の根っこの中が図のように枝分かれしていたり、根っこの先が大きく曲がっていると、治療することも難しく感じますよね。
根っこの中というのは人によって形は様々ですし、同じ人の歯であったとしても、場所によっては複雑な根っこが含まれていることもあります。
また、再治療の方は被せ物や土台を外す過程が必要になりますが、土台の部分が大きければ大きいほど、除去をするのに時間を有します。
そして、できるだけ歯を傷つけずに気をつければ気をつけるほど、土台を外すのにも時間が必要になるのです。
このため、根管治療というのは回数・期間に個人差が出てきてしまいます。
それでは、今から特に難しい場合の例を4つあげていきましょう。
2−1 神経の通り道が枝分かれしている
神経の通っている管が先で枝分かれをして迷路のようになっていることがあり、治療期間を有してしまうことがあります。
なぜなら、枝のように分かれているところを全て消毒するということが難しいからです。
もし消毒が行き届いていないと、根管治療の再発にもつながります。
細く、複数にもなっている根管に、消毒液を流し込み殺菌することは難しいですよね。
ですので、神経の通り道が枝分かれしていると、治療期間が平均よりも長く必要になってきます。
2−2根っこの中の管が硬く通り道が塞がっている
根っこの中の管が硬くなり、通り道が塞がってしまっていることがあります。
上のレントゲン画像を見てみましょう。
黄色い矢印の歯には黒い線が見えますよね?
これが神経の通り道です。
この通り道がはっきりとわかる場合は治療もしやすいですが、硬く塞がってしまっている場合の治療は大変!
塞がっていても病気ができていなければ、治療をしなくていいこともあります。
しかし、病気ができている場合は治療が必要です。
もちろん、治療期間は通常よりかかることも分かりますよね。
「塞がっているのに治療ができるの?」
このような思いをされたのではないでしょうか。
実は、術式次第でこの塞がってしまった管を開けられることもあります。
また例え開けられなかったとしても開くところまでしっかりと掃除をしてあげると62.5%の確率で良くなることがデータにも出ています。
(引用元:The prognosis for Endodontics Treatment of Obliterates Root Canals
Anna Akerblom. DDS. And Gunnar Hasselgren. DDS. PhD
J Ended vol. 14 No.11,November 1988)
それでも難しく、病気が無くならない場合は外科処置をすることで病気を取り除けることもあります。
いずれにせよ、塞がってしまい病気ができている根管を治療するには、期間も通常より長く必要となります。
5分の動画です!見てください!
2−3見落とされがちな根管を探すのに時間がかかる
また、患者さんによっては見落とされがちな根管が潜んでいる場合があります。
特に上の奥歯において、今までは「3本の根管でできている」というのは歯医者業界では一般的でした。しかし、もう1つの根管があることがとても多いということが最近の研究で明らかになってきました。しかし、その根管は非常に細く肉眼で見ることは困難なために、歯科医師に気づかれずそのまま見過ごされてしまっていることもこれまでは多かったのです。
しかし、C T撮影が可能になったり、マイクロスコープを使うことで発見されることも多くなり、この4つ目の根管の治療が重要視されるようになりました。
もし、この根管の発見がされないと、その根管が原因で再治療になる頻度も高かったという結果も出ています。
(引用元:Hone MM, Pink FE :Contemporary endodontic retreatments: an analysis based on clinical treatment findings. J Endod, 28: 834-836,2002)
これほど見つけにくい根管であり、見つかった後も他の根管と同様に消毒をしていかなくてはならないので、治療期間も通常より必要になります。
2−4根っこの先が曲がっている
【まとめ】
このように、根管治療というものは形が様々な場合が多数存在します。
・根っこの先が枝分かれしている
・根っこの中の管が硬く通り道が塞がっている
・見落とされがちな根管が潜んでいる
・根っこの先が曲がっている
ですので、治療期間にもそれだけ差が出てくるのです。
3治療期間が短い人と長くかかる人の違い
3−1治療期間が短い人の特徴と症状
治療期間が短い期間でできるものであげると、前歯を初めて根管治療をするというケースです。
今まで治療経験がなく神経の入り口がはっきりと分かる状態であればスムーズに治療が進むことが多いです。
また期間が短い方の多くは症状が分からない、感じないことも多いです。
3−2治療期間が長い人の特徴と症状
前述したとおり、根っこの中が複雑な場合、再治療が必要な場合の方は複数回治療が必要となり期間もそれだけ必要になります。
しかし、ご自身で根っこの中が複雑かどうかを見つけることはできません。
ですので、根管治療が必要と言われたかたや、歯に違和感がある方は速やかに歯科医師に相談することが最善です。
また、痛みが続く場合や、再治療の方で排膿(膿が出ること)が続く場合なども、治療期間が長くかかる1つの症状と言えます。
4治療期間を減らすことは可能?
4−1 結論的には可能です!
↑参考なためこの回数が絶対ではありません。
4−2 根管治療に大切なことは再治療なく治すこと
根管治療で本当に大切なことは、期間を短くすることではありません。
できる限り再治療なく、歯として長く使っていけるように治療することが大事です
根管治療というものは複雑かつ難しい治療です。
根っこの中が先で枝分かれしていたり、入り口が塞がっていたりと、困難な場合が多いのです。
ですので、少ない回数・期間での治療が困難な場合があります。
根管治療は歯を残していくための、最終手段の治療です。
出来る限り再治療なくきちんと治したいと思っているのであれば、しっかりとした検査・診断と、知識・技術のあるところで治していただくことを、強くおすすめいたします。
根管の中の複雑さは、肉眼で歯の中を見ただけではわかりません。
ですので、期間で考えるよりも根管の中を見ることができる設備、治療技術を兼ね備えた歯医者さんを選ぶことがなにより重要です。
また、治療に通うのが忙しくて難しいと思われている方は、カウンセラーの在籍している歯医者さんへ行くことをオススメします!
カウンセラーが在籍しているところでは、患者様の状況を一緒に考え相談しながら、予約をとることができます。
上記の回数を減らす方法もカウンセラーと話し合いながら進めることで、実現へと結びつけることができると思います。
当医院でもカウンセラーがいつでも準備しておりますので、ご興味あればいつでもご連絡お待ちしております。
5根管治療の期間が長く続くと大丈夫なのかを徹底解説
治療期間が長引くことは、歯の状態が悪いということです。
つまり、長ければ長いほど治療が難しいということです。
ですので、もちろん治療期間が長いとリスクもそれだけ大きくなり、歯へのダメージも大きいということです。
では、一体どのくらいの期間が長いのか?
奥歯の再治療でも、約6回程度は治療が必要なことがあるので、1ヶ月半以上治療が続く場合は長いと言えます。
もちろん根管が複雑な場合もありますので一概には言えませんが、2ヶ月、3ヶ月と1つの歯で治療が続くと、歯への影響もよくありません。
保険診療での治療は一般的に多く普及されていますが、国が定めた物や道具でしか治療することができないため、限界があります。
根っこが曲がっていたり、根っこの先が塞がってしまったり、保険診療ではそれをクリアにするのがなお難しいのです。
ですので、何度も症状が改善するまで治療を繰り返してしまいます。
しかし本当に大切なことは、1回の時間を長めに頂戴して、顕微鏡やCTを活用して根っこの先の状態を知り、技術ある術者にみてもらい、再発しにくい治療を受けるということです。
そして、ある程度の期間はもちろん必要ですが、できる限り歯へのダメージを減らすために短期間で治療を進められることが何より大切です。
6根管治療の治療間隔が開くのは、良くありません!
答えは「よくありません」
根管治療というものは、数回治療がかかるものということには間違いありませんが、そのために次回の治療をするまでに、唾液などの感染から守るために、根っこの穴のフタをする仮の詰め物があります。
この詰め物の寿命が、通常は約2週間と言われています。
ですので、それ以上に期間が空いてしまうということは、いくらフタをしていても感染から守ることは難しいのでよくないということです。
また、次回の治療までに根管内を消毒するお薬を使用する場合がありますが、このお薬の効果も1〜2週間と言われています。
こちらに関しても、治療と治療の期間が長くなることを出来るだけ避けた方が良いでしょう。
しかし、旅行などでどうしても期間が空いてしまうという場合には、治療を担当している術者に必ずお伝えすることをオススメします!
なぜなら、事前に期間が開くことがわかっていれば、仮の詰め物の素材を「長期使用に耐えられる感染しにくい硬いもの」に置き代えることができるからです。
そうすることで、2週間以上空いてしまっても根管内を感染から守ることができます。
しかし、本来はあくまでも仮のフタで外しやすい物です。
それを、しっかりと硬い素材のものでしてしまうと、次回の治療時にそれを外すことに時間を有してしまいます。
7アスヒカル歯科の根管治療の特徴
①カウンセラーと予約や治療について相談できる
アスヒカル歯科では、カウンセラーによるお話のお時間をとることが可能です。
来られた患者様の予定や、希望の時間帯などをお話ししながら決めていくことができます。
ですので、1回で治療を終わらせてしまうことは難しいことが多いですが予定を相談できるので、予定を作りやすいと思います。
特に、お仕事などで忙しい方にはオススメです!
②マイクロスコープ(顕微鏡)・CTがあることでよりスムーズに治療を進められる
当医院ではCTやマイクロスコープなどの器材があり、歯の根っこの複雑な形や状態をしっかりと確認しながら治療を進められます。
C Tを取ることで、またマイクロスコープで歯の中を覗くことで分かる情報はたくさんあります。
機材が揃っていることが、根管治療のスムーズさにも影響しています。
根管の中が複雑だということがわかれば、早い段階からそれにあった道具を使って治療することができ、より短期間で治療を進められるからです。
ですので、忙しい日々の生活の中で治療をきちんと受けていこうと思われるのであれば、機材が揃っているということもとても大切になってきます。
③アスヒカル歯科には根管治療専門医がいる
そして、何よりも大切なことは術者の治療に対する技術です。
アスヒカル歯科の院長はAAE(アメリカ歯内療法学会)の専門医です。
⇨根管治療専門医です。
術者も知識と治療技術の向上を常に行なっておりますので、より丁寧に、より短期間で治療ができるように取り組んでいます。
「しっかりと相談して治療を受けたい」と思われる方はぜひお問い合わせお待ちしております。
【まとめ】
いかがだったでしょうか?
「根管治療」きちんと治したいと思われるのであれば、それなりに治療期間が必要です。
そして、より専門的な医院に相談することがとても大切です。
また、治療期間が長引くことも歯にはダメージが大きいということです。
根っこの中はとても複雑で治療が難しいからです。
「きちんと治したい!」「仕事の都合と合わせたい!」とお思いの方、
忙しい中でも、ご自身の予定を一緒に考えてくれる医院を、そしてより専門的な医院を、ぜひ見つけてみてくださいね。
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