一度、根管治療を受けた歯に様々な症状が・・・。
これは、根管治療後の再発なのだろうか?と、不安に感じていらっしゃる方も
多いのではないでしょうか?
実は、根管治療の再発率は、50%〜70%と、非常に高い確率で再発を起こしやすいのです。
そこで、今回は根管治療後の病気の再発について、まとめました。
再発していたらどうなるのか?なぜ再発するのか??どのような再治療を受ければ良いのか?
様々な不安、疑問にお答えしていきたいと思います。
https://asuhikaru-shika.com/knowledge/peri-apical-lesion
5分程度の動画です。ぜひご覧ください。
該当する項目があれば、根管治療後の病気の再発を疑って、
是非、専門の歯科医院を受診することをおすすめします。
目次
1根管治療の再発が疑われるさまざまな歯の症状と兆候
まず、根管治療とは歯の中にある神経の処置をすることを言います。
多くの場合過去に、虫歯が神経にまで達して、神経を取る処置をした事があればそれは、
根管治療でしょう。
次のような症状があれば、再発の可能性が非常に高いものだと考えられます。
1−1再発の可能性がある症状 根管治療後の歯が痛い
根管治療をした歯は、基本痛みを感じる神経が除去されているため、痛みを感じることは少ないはずです。しかし、その歯が痛むという事は、何らか異常があると思われます。
まず、根管治療再発を決定するのに重要なのは、その根管治療を受けた時期になります。
神経をとった直後であれば、神経を引きちぎったような状態になります。
そして、根の先が傷になっている為、多少の痛みがあることもあります。
また、神経が残っている場合も痛みます。しかし、このような根管治療直後の症状は再発ではなくその歯が未だ完治していない、または、まだ治療中となります。よって、再発という扱いにはならないでしょう。
では、根管治療を受けて、土台や被せ物が入り症状が消え、完治したと思われた歯が、再度痛みが出だしたら、それは根管治療再発を疑います。
その痛みの原因がどういったものなのか、今後、どうなっていくのかを、
お伝えしていきたいと思います。
1−1−1 根管治療後の歯が痛い 割れてしまった。
根管治療を受けた歯は、歯質の量が削られて少なくなるので、歯は、非常に割れやすくなります。
歯が割れてしまえば、痛みが出ることがあります。また、割れてしまった歯は、痛みの有無なしに
残すことができません。割れた隙間が、細菌の温床になるからです。
その様な場合の処置としては、残念ながら抜歯になってしまします。
1−1−2 根管治療後の歯が痛い 根っこの先に膿が出来ている。
根管治療を受けて、数年後に根の先に膿がたまることがあります。膿がたまると言う事は、歯を支えている骨が溶けて膿が溜まり、その圧力で痛みを感じる事もあります。このような場合は、根管治療後の病気の再発と、再根管治療が必要になります。
膿は、歯の根の先で、黒い影としてレントゲンに映ってきます。
1−2 再発の可能性がある症状
根管治療受けた歯の歯茎に出来物が出来た
根管治療を受けた歯の歯茎に、ニキビみたいな出来物ができてしまった場合は、根管治療後の病気の再発と思われます。たまった膿が根っこの中から押し出されて、歯茎にニキビのような出来物ができてしまいます。
歯科専門用語では、瘻孔(ろうこう)フィステルやサイナストラクトと呼ばれる状態です。痛みがない事も多く、出来物も潰れてしまったら、気にならなくなり自然治癒したと思われがちです。
しかし、自然治癒することはなく、多くの場合は何度も繰り返します。そして、病気の再発に気がつかない事もあります。
フィスティルの写真 URL
根管治療を受けた歯が浮いているような感じがする
根管治療を受けた歯が、疲れた時や肩こりがひどい時などに「浮いているような感じがする」とおっしゃられる患者様も多いです。このような場合も、膿が溜まっていることが多く、根管治療後の病気の再発で再根管治療が必要になります。
では、なぜ根管治療後に病気の再発が起こるのでしょうか?
2 根管治療再発パターンと期間
根管治療後の病気の再発の、一番の原因は「細菌感染」です。
その細菌感染が、どのタイミングで起こってしまうのか。
2つのパターンが上げられます。
2ー1 根管治療再発のパターン1
1番多い細菌感染のパターンは、「根管治療は成功したが、後に細菌感染を起こすパターン」です。これを、歯冠測漏洩(マイクロリーケージ)と呼ばれます。根管治療の後にコア(土台)築造する時に唾液からの感染をしてしまったり、被せ物(クラウン)の不適合により細菌感染を起こてしまう事です。
2−2 根管治療再発のパターン2
前回の根管治療で、細菌が取り切れていない。お口の中は非常に暗いです。根管内は更に暗く、
根管内を肉眼できちんと確認することは、無理です。根管は非常に複雑な形をしていて、千差万別です。真っ暗な根管の中を手探りで、経験と勘を頼りに治療をして行くのです。
神経の取り残しなどがあっても、全く不思議ではないのです。
2―3 再発に至る期間とは
再発に至るまでの期間は、個人差があります。また長年、再発に気がついていないことも多く
症状がない場合もあります。歯科検診のレントゲン検査で、再発していることに気が付くことも非常に多いのです。
一度治療をした歯は、根管治療だけでなく、どんな治療でも再発のリスクが高いのです。
歯科検診で、しっかりと予後を追って早期発見することが大切となります。
3 今後、根管治療を再発させないために
受ける治療の3つのポイント
では、今後に根管治療を再発させないようにする治療を受ける為には、
どうしたら良いのでしょうか?
3つのポイントでお伝えしていきます。
3−1−1 しっかりとした検査と診断
14枚法デンタルレントゲン検査
1本1本の歯をより詳しく検査して行きます。
C B C T検査
レントゲンと比較し、より詳しく3次元的に見ていく事ができます。
視診 ドクターによる直接の診察
歯周病検査
膿が出来ているかどうかは、レントゲン検査をしなければ発見できません。
パノラマレントゲン検査や、デンタルレントゲン検査で発見することができます。
しかし、もっと詳しく正確に診断する為には、C B C Tの撮影が必要です。
口腔内写真やドクターの視診、
歯周病の検査なども含めて、より一層しっかりとした診断を受けることが重要です。
3−1−2 カウンセリングも必須になります
いつ、どのような状態で、どんな根管治療を受けたのか、しっかりとした聞き取り、情報収集も必要になるのです。
このように、様々な情報を得た中から、正しい診断が出来るドクターはかなりの知識が必要になります。知識のある専門のドクターでないと叶わないことであると思います
2 ドクターの知識とスキル
根管治療の知識は、専門性が高く欧米では専門医院で治療を受けるのが当たり前です。根管治療の専門医に専門の知識と技術で治療をしてもらうことが、何よりも再発のリスクを下げることができます。
3 最先端の設備や道具
3−1根管治療にはマイクロスコープ
そして、根管治療に必須で根管治療専門医のマストアイテムといえば、マイクロスコープです。このマイクロススコープは、眼科や脳外科でも使用されている手術用顕微鏡です。
このマイクロスコープを、根管治療で使用することで、根管内を20倍から30倍まで拡大して見ることが出来ます。つまり、はっきりと良く見える治療なのですね。しかし、顕微鏡下の治療は、非常に高度なテクニックが必要になります。
きちんとトレーニングを積んだ歯科医師でなければ、扱うことが出来ない器具になります。
3−2 ラバーダム
ラバーダムとは歯に被せるゴムのマスクの事です。
根管治療中は、ラバーダムを使用しなければ、唾液による感染を起こしてしまいます。したがって、再発のリスクが上がってしまいます。
3−3 ニッケルチタンファイル
ファイルは、根管治療を行う上で必須での機材です。根管内の汚染物をかき出すのに使用します。
根っこの形は複雑に曲がっていたりしますので、通常のファイルであれば根に穴を
開けてしまったり、先まで穿通する事ができなかったり、根管内で折れてしまったりします。
ニッケルチタンファイルは素材がチタンですので、柔軟にしなってくれる為
曲がった根っこの先まで届く事ができる非常に有能な道具であります。
加えて、治療機材(ファイル)を使い捨てにしていること!
衛生的にも使い捨てが最も清潔です。しかし、非常にコストがかかるので
実施している歯医者は少ないかもしれません。
以上のように根管治療再発させない治療3つのポイント
1 詳しい検査とカウンセリング
2 ドクターの知識と技術
3 最先端の設備や道具
4 再発させない治療を受けるためには根管治療専門医院
再発の多い根管治療、何度も治療を繰り返しすことは、抜歯に近づいてい来ます。
根管治療後の病気の再発をくり返さないためにも、根管治療専門の医院で治療を受けることが
重要になります。
5 根管治療の成功率
5―1 根管治療専門医院での成功率
再根管治療は、非常に困難であり、成功率は初めての根管治療と比べて低くなります。
その歯の状態にもより異なりますが、保険診療による再根管治療の成功率と比べると
非常に高いものになります
5−2 保険診療による根管治療の成功率
保険診療による再根管治療の成功率は、保険の規程により使える道具や、薬剤、時間が制限されているために、非常に低いものであります。また再発を起こしてしまうと言っても過言ではないと思います。 それほどまでに、根管治療は困難な治療であるということです。
根管治療成功率の記事URLはこちらです。
では、最後に根管治療の専門医院での気になる治療費はいくらぐらいになるのでしょか?
6 再発させない根管治療の治療
6―1 根管治療専門医院での治療費
根管治療専門医院での治療費は、参考までに下の表になります。(医院によって、違いがあります。)保険適用ではありませんので、自費診療となります。
治療費は、保険診療より高額になります。
しかし、再度治療を繰り返す確率が低いということは、長く自分の歯として使っていくことが出来るので妥当な金額であると思われます。天然の歯をお金で換算することはできませんが、
事故で失った歯の損害賠償金額は、1本、数百万円支払われることもあります。
6―2 保険診療による根管治療費
保険診療による根管治療の費用は、非常に安価です。したがって、良い材料や機材を使用する事ができません。よって、より再発リスクが高くなる訳ですね。
まとめ
根管治療は非常に再発を繰り返すリスクが高い治療です。
そうと解れば、再発のリスクを回避出来る治療を選ぶ事が大切です。
根管治療の方法の違いを知って
ご自身の大切な歯を長く使い続けていただきたいと思います
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放置すると抜歯になる!根尖病変の正体と原因および治療法を徹底解説
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根管治療の費用を抑えたい方へ!費用相場と治療をするためのポイント
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