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根管治療専門医が徹底解説!根尖性歯周炎の正体と治療の必要性は?

2021.01.25 (最終更新日:2021.01.25)
根尖性歯周炎徹底解説

この記事を読んでいる貴方は、もしかすると歯医者で「根尖性歯周炎だから治療しましょう」と言われたのではないでしょうか?

しかし、「根尖性歯周炎って、そもそも何なの?」「それは、大変な病気なの?」と非常に疑問に思っていると思います。
この記事を読み終える頃には、
・根尖性歯周炎とは何なのか?
・絶対に治療をした方が良い理由とは?

 を知ることが出来ます。
また、治療中や治療後に気になる痛みについても、詳しく解説しています。

 実は、「キチンとした根尖性歯周炎の治療」を行えば高い確率で治るので安心して下さいね。

この記事の中では、

・キチンとした治療とは、どんな治療か?
・治療は、どのくらいの回数や期間がかかるのか?
・キチンとした治療には、どれくらいの費用がかかるのか?

についても、解説しています。

 ぜひ、根尖性歯周炎の基礎知識を知っていただくだけでなく、キチンとした治療についても知ることで
あなたの根尖性歯周炎を治すお手伝いになればと思います。

1 根尖性歯周炎とは

根尖性歯周炎とは、
【歯の根の先端にできる病気の一つ】です。

この病気は、
歯の根の先に、虫歯の細菌などの刺激が加わることで炎症が起きてしまう病気です。

特徴としては、「痛みや違和感」と伴うこともあれば、全く自覚症状がない場合もあります。
また、レントゲンを見ると歯の根の先端に「黒い影」が認められることが多く見られます。

根尖性歯周炎

2 根尖性歯周炎の原因は3種類

この章では、根尖性歯周炎について正しい知識を得ていただく為に、

■なぜ、根尖性歯周炎ができるのか?
■実際にレントゲンでは、どのように見えるのか?

について、書きたいと思います。

-1 なぜ、根尖性歯周炎ができるのか?

根尖性歯周炎の原因

根尖性歯周炎が出来る理由は一般的に「3つ」の理由があります。

・機械的刺激
→直接的な「力」によって起こる刺激です。

 ・化学的刺激
→一般的に「薬剤」によって引き起こされる刺激です。

・細菌学的刺激
→「根管内部に存在する細菌」によって引き起こされる刺激

の3種類の刺激です。
この中でも、「機械的刺激」や「化学的刺激」によるものは時間の経過と共に改善することが多いと言われています。最も、大きな問題になるのは「細菌学的刺激」による根尖性歯周炎です。
細菌の数が少なく、病原性が低ければ、時間と共に根尖性歯周炎が落ち着く可能性があります。
しかし、根管治療を行った歯の内部には、血管がありません。よって、免疫が働かなくなります
それにより、基本的には細菌にとって居心地が良く、生存、繁殖しやすくなっています。

では、3種類の刺激について説明していきたいと思います。

2-1-1機械的刺激

この機械的刺激とは、直接的な「力」によって起こる刺激です。
■治療中に根の先端を、過度に治療器具で刺激した場合
■一本の歯に、過剰な噛み合わせの力が加わっている場合

が挙げられます。
これらの場合は、歯の根の先「根尖(こんせん)」の、歯の周り「歯周(ししゅう)」に炎症が起きます。
そして「根尖性歯周炎」になります。

 

2-1-2 化学的刺激

この化学的刺激とは、一般的に「薬剤」によって引き起こされる刺激です。
根管治療では、3種類の薬剤を使用します。
根管洗浄液
■根管消毒液(貼薬剤)
■根管充填剤

これらの薬剤が、歯の根の先「根尖(こんせん)」から漏れ出ることにより、歯の周り「歯周(ししゅう)」に炎症が起きます。そして「根尖性歯周炎」になります。

2-1-3 細菌学的刺激

この細菌学的刺激とは、「根管内部に存在する細菌」によって引き起こされる刺激です。
この細菌学的刺激は、大きく3つに分けられます。
■虫歯の細菌
■歯周病の細菌
■医原性(治療自体が原因になって細菌感染している)

 です。根管の内部に存在している細菌が、歯の根の先「根尖(こんせん)」で病原性を発揮することにより、歯の周り「歯周(ししゅう)」に炎症が起きます。そして「根尖性歯周炎」になります。

2-2 レントゲンでどのように見えるのか?

根尖性歯周炎が進行し、歯を支える骨を溶かし始めると、レントゲンでは「黒く」写ります。

根尖性歯周炎のレントゲン

3 根尖性歯周炎の治療法

前の章で述べたように、根尖性歯周炎の原因は3つあります

■機械的刺激
■化学的刺激
■細菌学的刺激

実は、患者さん自身が「自分はどの原因なのか?」と判断は難しいのです。
しかし、多くの場合は根管内部の細菌による「細菌学的刺激」が原因です。
ここでは、「細菌学的刺激」の場合の治療法について解説します。

根尖性歯周炎の治療法

3-1 以前に根尖性歯周炎の歯を根管治療した経験が「無い」場合

この場合は、
■神経が生きているか
■神経が死んでいるか

によって、治療法が変わってきます。

3-1-1 神経が生きている場合

神経が生きている場合で、根尖性歯周炎になる確率は非常に低いです。

虫歯が深く細菌により神経にダメージが加わると、神経の細胞から歯の根の先(根尖)に「炎症を促す物質が放出」されることがあります。
この場合は、しっかりと虫歯を取り切ることで「放出」がストップされます。
そして、虫歯を取り切ると生きた神経が露出することがあります。
その場合は、歯髄温存療法(VPT治療)を行います。

VPT治療

VPT治療の詳細はこちら

 

3-1-2 神経が死んでいる場合

神経が死んでいる場合で、根尖性歯周炎になっている場合は
「死んでしまった神経の内部の細菌が増殖」している可能性が考えらます。
よって、死んでしまった神経を取り除く根管治療が必要になります。

歯髄壊死

3-2 以前に根尖性歯周炎の歯を根管治療した経験が「ある」場合

この場合は、以前に根管治療の経験があるので「既に神経がない状態」です。
しかし、根管の内部で細菌が増殖して根尖性歯周炎になっています。
治療法としては、被せ物や、内部の土台を除去し「再根管治療」つまり「やり直しの根管治療」が必要となります。

感染根管治療の流れ

コラム<実は多くの歯科医師は根尖性歯周炎が苦手・・・>

実は「根尖性歯周炎」という病気は、多くの歯科医師が「根尖性歯周炎」という言葉を使いながらも、
キチンとわかっていないことがあります。根尖性歯周炎では無い病気を「根尖性歯周炎」と考えている場合が多くみられます。また、根尖性歯周炎の3つの原因の中で「機械的刺激・化学的刺激」についても、キチンと理解しいていない場合もあります。

実は、「歯の根の先の診断」は6つに分類されています。

■正常な根尖周囲組織
■症状のある根尖性歯周炎
■症状のない根尖性歯周炎
■急性根尖膿瘍( きゅうせいこんせんのうよう)
■慢性根尖膿瘍( まんせいこんせんのうよう)
■硬化性骨炎

この中でも、③の「症状のない根尖性歯周炎」と⑤の「慢性根尖膿瘍」を、キチンと区別できていない歯科医師が多いのが現状です。

高い質の根管治療を行える歯科医師は、しっかりと「診断」をすることができます。
AAEアメリカ歯内療法学会専門医は、正しくあなたの歯を診断することができます。

そして、その正しい診断にしたがって適切な治療が可能となります!

せっかく、時間をかけて根管治療を受けるであれば

「知識と技術」を磨いている根管治療専門医に治療をしてもらうことをオススメします!

根尖周囲組織の診断

下の写真にように「痛みがなく、歯茎に小さな穴がある出来物ができている」場合は⑤慢性根尖膿瘍であり根尖性歯周炎ではありません。よって、歯茎に小さな穴が開いているのにも関わらず「根尖性歯周炎」と診断された場合は、根管治療に詳しくない歯科医師の可能性があります。

慢性根尖膿瘍

4 根尖性歯周炎の治療期間と回数

4-1 前歯の場合

前歯の再根管治療は、4〜5回!

根管治療の回数

前歯であったとしても、4〜5週間は治療期間が必要です。関連記事はこちら 根管治療の回数・期間 はこちら

根管治療後に被せ物など被せ物が入っているケースがほとんどです。
よって、それらの被せ物や、中に入っている土台を除去した後、根管内部に詰められている根管充填材と言う薬剤を除去するという処置が必要になってきます。

これを除去することは、非常に大変です。しかし、それだけではないのです。

細菌が歯の中で蔓延している、神経を取った歯ですでに歯が弱っている、という難関が待ち構えています。
ですので、たとえ根っこの数が少ない前歯であっても治療期間は4〜5週間は必要となってきます。

4-2 奥歯の場合

お分かりだと思いますが、再治療が必要になった奥歯の根管治療は、
前歯に比べて、より一層難しく大変になります。

再根管治療の回数

平均でも5〜6週間は治療期間が必要です。

根管の数が前歯よりも多く、被せ物や土台を除去したり、内部の細菌が蔓延していたり、治療をする側も頭を悩ませることが多いのが特徴です。よって、治療回数も一番多くかかるのが「奥歯の再根管治療」です。
ですので、平均でも5〜6週間は治療期間が必要になります。

根管治療の根治に必要な回数・期間と長期化させないためのポイントの記事はこちら

5 治療せずに放置した場合に起きること

「歯医者に行くの怖いし」「あまり時間がないし・・・」と
自分の歯の状態が悪くても放置してしまう方がいらっしゃいます。

しかし、放置した場合は様々な問題が起こってきます。
実は、根尖性歯周炎には

■症状のある根尖性歯周炎(痛い)
■症状のない根尖性歯周炎(痛くない)

の2パターンが存在しています。
それぞれのパターンで、「放置した場合に起きること」をまとめてみました。

5-1 症状のある根尖性歯周炎を放置した場合

痛みがあるので、放置をする方は少数です。

しかし、放置することが大きな問題につながることがあります。
代表的には、3つの可能性があります。

5-1-1 骨髄炎を発症する

歯は骨の中から生えています。根尖性歯周炎により、骨の骨髄と呼ばれる中心部まで炎症が広がる場合があります。その場合は、強い痛みや発熱を引き起こし入院下で抗生物質の点滴などの処置が必要になる場合があります。

5-1-2 大きな腫れが出現する

炎症が広がり、大きな腫れが出現することがあります。中でも、蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる状況になった場合は命の危険を伴う(呼吸が困難になる)緊急事態となることがあります。

5-1-3痛みがさらに強くなり、痛み止めが効かなくなる

歯を支える骨の内部に、膿が多量に溜まることで骨の内部を破壊して非常に強い痛みになることがあります。

5-2 症状のない根尖性歯周炎

歯科医院でレントゲンにて根尖性歯周炎を指摘され、治療を勧められます。
しかし、痛みがない場合に放置してしまうと、様々な問題が生じることがあります。

■骨髄炎
■腫れ
■何もしてなくても強い痛み
■噛むと痛い
■歯茎が痛い
■難治性になる(治療しても治らなくなり、外科が必要になる)
■神経麻痺(大きくなった病気が神経を圧迫する)
■菌血症(血液の中に細菌が入り込み全身を巡る)
■静脈内のカテーテル、人工関節、人工心臓弁への細菌感染

など、これ以外にも多くの問題が起こる可能性があります。

根管治療を放置したことで起こる大きな4症状とリスク・対処法の記事はこちらから
6 根尖性歯周炎の治療にかかる費用

治療にかかる費用は、

以前に根尖性歯周炎の歯を根管治療した経験が「無い」場合(神経を取る治療
以前に根尖性歯周炎の歯を根管治療した経験が「ある」場合(再治療)

によって、費用が変わってきます。
また、歯の場所によっても変わってきます。

6-1 保険診療の場合の根管治療の費用

保険根管治療費用

※上記の表は、歯1本あたりに対する費用です。

根っこの本数や医院の設備体制などで、費用が前後に変動することがあるので絶対とは言えませんが、おおよその金額は上記の表の通りです。
根管治療には2種類あり、今から神経を取る治療と再治療の2種類の費用について、もう少し詳しく説明をしていきますね。

6-1-1 歯の神経を取る治療

歯の神経をとる治療の費用

上記の表は保険診療3割負担の方の料金表(*令和2年4月:保険診療10割負担の場合で計算)
⇨医療費控除を受けられている方などは,料金の割合も変わる場合があります。

歯の神経を取る治療は、およそ2000円から7000円の費用が必要になります。
保険診療は全国の歯科医院で同じ費用ですが、設備(施設基準)などでやや変動します。

しかしながら、下の奥歯で顕微鏡を使用した場合は追加で1200円程度費用が増加します。
歯周病の検査や治療、新しい土台や被せ物の費用は別途かかります。

抜髄治療の流れ

6-1-2 再治療の場合

再根管治療の保険の費用

上記の表は保険診療3割負担の方の料金表(*令和2年4月:保険診療10割負担の場合で計算)
⇨医療費控除を受けられている方などは料金の割合も変わる場合があります。

再治療の場合のおよその料金は3000円から7000円です。
こちらも保険診療は全国の歯科医院で同じ費用ですが、設備(施設基準)などでやや変動します。

しかしながら、下の奥歯で顕微鏡を使用した場合は追加で1200円程度費用が増加します。歯周病の検査や治療、新しい土台や被せ物の費用は別途かかります。

歯の神経を取る治療との違いは、再治療の場合は被せ物や土台などを外したり、中に詰まっているお薬などを外さなければなりませんので、費用にも差が出てきます。

根管治療の流れ

6-2 自由診療の場合の根管治療の費用

自由診療根管治療費用

上記の表は、湧光会アスヒカル歯科の根管治療の料金表です。税別金額です。

自費治療の再根管治療の場合、歯科医師が患者さんの歯の状態や、患者さんの希望、地域性などを考慮して自由に費用設定しているので、保険診療のように「全国ほぼ同じ」ではありません。

支払い方法に関しては、以下の2種類が代表的です。

■保険診療と同じように、その都度で自費診療費用の設定がある場合
■費用支払いの回数は1回で、根管治療が終わるまでの全ての費用が含まれている場合

歯の根っこの数が前歯と奥歯で異なってくるのと、再治療の方が治療の難易度が高いため、当医院では料金に差が出ています。こちらの設定も、医院によって異なりますのでお確かめいただければと思います。

6-3 保険診療と自由診療との治療内容・費用の違いについて

根管治療保険と自費の違い

上記の表は湧光会アスヒカル歯科での内容であるため、全ての医院で同じ機材や薬剤を使用したり、同様に丁寧に治療を行っているとは限りません。あくまでも参考までに。

 

 

根管治療!保険か自費かで迷ったときの選択すべとその理由についての記事はこちら

 

7 まとめ

まとめ

■根尖性歯周炎が出来る理由の多くは細菌学的刺激
■治療は、神経が生きていればVPT治療が必要
■神経が死んでいるor無い場合は根管治療が必要
■治療回数は奥歯が最もかかり、5~6回が必要
■放置した場合は、後々、大変なトラブルになることがある
■費用は、保険治療と自費治療で異なる
■費用は、歯の場所でも異なる

7 根尖性歯周炎の治療ならアスヒカル歯科

根尖性歯周炎の治療は失敗すると、何度も何度も治療を繰り返し、最終的に抜歯になることが多く見られます。
ですので、根管治療に精通した歯科医院にて根管治療を受けることが望ましいとされています。

根管治療が上手い歯科医院

7-1 専門医による治療が必要な理由

繰り返しの再治療リスクを減らすために、根管治療の「質」がとても重要になります。

    根管治療が失敗すれば、歯の根っこの中で感染が起こり再根管治療が必要になり、
    破折すれば抜歯になります。

    歯の根っこの中は目では見ることができず、治療がとても困難な場所です。
    その根っこの中を細菌レベルで精密に丁寧に治療を行うには高い技術が必要になります。
    高い精度の根管治療を受けるために、根管治療専門医に治療してもらうことをお勧めします。

    十分な知識と世界レベルの技術を持つ根管治療専門の歯科医師、レントゲンだけでは把握できない、
    歯の根っこの形態を調べるために使うCBCT、拡大して歯の根っこの中を見ることができるマイクロスコープなどが
    揃っていることで精度の高い根管治療を行うことができます。

    7-2 アスヒカル歯科での治療

    根管治療が上手い歯科医院

    アスヒカル歯科にはアメリカの根管治療の学会(AAE)での認定資格をもち、またトロント大学の認定資格を持つ世界基準の知識と技術を持つ根管治療専門医による根管治療をしております。
    また、精密根管治療に必須なマイクロスコープとCBCTの設備があります。

    マイクロスコープ:根管治療は目では見えない歯に根っこの中を手探りで行う治療ですが、マイクロスコープを使用することにより「みながら治療を行う」ことができ、歯の根っこの中を異変を見逃すことなく治療を行えます。
    マイクロスコープの詳細:https://osaka-endodontic.or.jp/microscope.php

    CBCT:デンタルX線のみでは2次元でしか情報を得ることができませんが、CBCTを用いることにより3次元的に情報を得ることができます。その結果、病態や歯の解剖学的な位置関係を正確に把握することができます。
    CBCTの詳細:https://osaka-endodontic.or.jp/dental-c.php

    アスヒカル歯科では適切な器具や設備があり、専門的な知識をも持ち、十分なトレーニングを積んだ専門医により、精度の高い根管治療を受けることができるので、再治療を回避できる可能性が高くなり、長く自分の歯を残すことができます。

    根管治療大阪クリニック:https://osaka-endodontic.or.jp

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