「次回からゴムをつけましょう!」と矯正治療中にお話があったことはないでしょうか?
いったいゴムは何のためにあるのか、ゴムを付けるタイミングや付け方はあるのかなど疑問に思われることもあると思います。
今回は、ゴムをつけるタイミングや時間、期間やゴムをつけるコツなど、矯正治療中の「顎間ゴム」についての記事を書きました。
ぜひ記事を読んでいただき、治療の参考になれればと思います。
目次
1歯列矯正中のゴムとは
以前はワイヤー矯正治療のワイヤーに、引っ掛けることで歯を移動させるためのゴムのことを言われていました。
最近では、マウスピース矯正でもこのゴムを使用して、歯を動かすようになりました。
このゴムは、上の歯と下の歯にゴムを引っ掛けることで、ゴムの伸び縮みの作用を利用して、歯に力を加え歯の位置を動かすために使用されます。
例えば、歯を抜いた後の隙間を綺麗に埋めていくために使用したりします。
顎間ゴムの付け方や種類は様々で、歯の噛み合わせによって大きく異なるので、まずはかかりつけの歯科医師にきちんと確認をとり、どこの部分にゴムを引っ掛けるのかを確認することが大切です。
2ゴムを付ける期間は?
ゴムを付ける期間はおおよそ半年から1年程度つけることが多いです。
ただし、症例によっても異なりますし、歯の動きには個人差がかなりありますので、一概にこの期間ですとは言いづらいところがあります。
また、同じ人でも何度かゴムの掛け方を変えて使用することもありますので、そのゴム掛けが必要であれば、その分期間も長くなります。
3一日のうちにどのくらいゴムを付ける必要があるのか
この顎間ゴムは、患者さん自身で付け外しを行います。
ですので、基本的には「食事」と「歯磨き」の時はゴムを外し、それ以外の時にはゴムを付けて生活をします。
長く付ければ付けるほど、効果があるとされていますので、1日のうち20時間以上の使用が望ましいとされています。
4ゴム掛け方の種類とコツ
4−1上顎前突(出っ歯さん)の場合[2級ゴム]
いわゆる出っ歯さんの歯を引っ込める時にする方法です。
上顎前突の場合は、上の歯を中へ引っ込める必要がありますので、上の犬歯付近から下の前から6番目あたりに向けてゴムをかけます。
【コツ】
・上の歯からゴムをかけて、引っ張りながら下の歯にかける
・片手ずつでかける方がつけやすい
4−2下顎前突(受け口さん)の場合[3級ゴム]
次は逆に、下の歯が前に出ている場合のゴムの掛け方です。
いわゆる、しゃくれと言われたり、反対咬合とも言われる状態の方に行います。
先ほどとは逆で、下の歯の犬歯から上の歯の前から6番目あたりにかけてゴムを引っ掛けます。
【コツ】
・下からゴムを引っ掛けてあげ、引っ張りながら上にかける
4−3交叉咬合の場合[クロスゴム]
交叉咬合とはクロスバイトとも言われ、上下の歯の噛み合わせが左右でずれている場合の状態のことをいいます。
この場合は、上下の同じ歯の表側と裏側にゴムを引っ掛けて、歯を動かしていきます。
こちらのゴムかけが一番難しいかもしれません。
【コツ】
・内側に引っ掛けてから、外側に引っ掛ける
4−4開口(歯が閉じれない場合)[垂直ゴム]
上下の歯が閉じられず噛み合うことができないことを「開口」といいます。
その場合には上下の歯に垂直にゴムをかけて、縦に引っ張るあうことで噛み合わせを作っていきます。
別名「台形ゴム」とも言われることがあります。
【コツ】
・鏡を見ながら上下同じ場所にかかっているかを確認する
・上に引っ掛けてから、ゴムを引っ張り下に引っ掛ける
5食事中ゴムはつけたままでいいのか?
食事中もゴムを付けることが可能な場合には、つけていても問題ありません。
ただし、ほうれん草やえのきなど、繊維質のものは特にひっかかりやすく、食べずらいと感じられる方もたくさんおられます。ですので、基本的には食事中は外して使用します。
また、マウスピース矯正での顎間ゴムを使用の場合には、マウスピースとゴムを引っ掛けることがあるので、全てを外さなければ食事ができないです。
他にも、カレーライスなどの色の濃い食べ物は着色もしやすいです。新たなゴムに変えれば問題ありませんが、そういったことも踏まえると、食事中にはゴムを外すことをお勧めいたします。
6ゴムを付けて痛みがあるときは
基本的には矯正治療の一環なので、多少の痛みを伴う可能性があります。
ただし、1〜2週間程度もすれば、痛みや違和感が治ることがほとんどです。
万が一痛みが持続している、痛くてたまらない場合には、食事を柔らかいものに変えてあげたり、強く噛みすぎたりしないようにすることがポイントです。
また、矯正治療の痛みは痛み止めが効きます。
ですので、あまりに痛みが続く場合には歯科医師にご相談されることをお勧めします。
7ゴムをつけ忘れてしまった時の対処法
ゴムのつけ忘れが長期化してしまうと、歯が思うように動かず矯正期間が伸びてしまいます。
ですので、基本的には忘れないように付けることが大切です。
万が一忘れてしまった場合は、出来る限り早く気づいてゴムを付けるということを習慣化させることが大切です。
私も歯磨きをするところに顎間ゴムを置いておき、うがいをしたら装着するというように意識していました。
意識付け出来るように、付箋にメモを書いて貼っておくのも一つの手段です。
8アスヒカル歯科のスタッフも歯列矯正の経験者です!
アスヒカル歯科のスタッフの半分ぐらいは、歯列矯正の経験者です。
また、アスヒカル歯科ではカウンセリングのお時間を取らせていただいております。
矯正は決して簡単な治療ではありません。
ゴム掛けは大変そうだなと感じられる方もおられますが、生涯にわたり使用していく大切な歯ですので、最後まで治療を頑張れるよう、気になることなどなんでもお話しいただけたらと思います。
当医院ではスタッフも歯列矯正を経験しておりますので、カウンセリング時に具体的なゴムのかけ方やポイントをお伝えすることができます!
ぜひ矯正にご興味のある方はお問い合わせくださいね。
9まとめ
▷顎間ゴムとは
上の歯と下の歯にゴムを引っ掛けることで、ゴムの伸び縮みの作用を利用して、歯に力を加え歯の位置を動かすためのゴムのこと
▷顎間ゴムの種類
- 2級ゴム:上顎前突(出っ歯さん)の場合に使用する
- 3級ゴム:下顎前突(受け口さん)の場合に使用する
- 交叉咬合(クロスバイト):上下の歯が左右にずれている時に使用する
- 垂直ゴム:上下の歯が噛み合わない時(開口)に使用する
【まとめ記事】
矯正治療の装置ごとの期間が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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