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現役歯科医解説!根管治療の薬がもたらす不安や痛みの原因と対処法!

2021.01.08 (最終更新日:2021.01.08)
根管治療 薬 痛み 違和感

根管治療中は、薬を頻繁に使用しますが、その影響で痛みが出たり様々な不快症状が出現したりします。時には、痛みが強くて夜間に眠れない方もいるかもしれません。一刻も早く、理由や対処法が知りたいと思いますよね。

 実は、根管治療で使用する薬は、種類も多く、使い方次第で、痛みが増強したりする場合もあれば、痛みを軽減させる場合もあります。

 根管治療専門医は、
「どういう薬を、どのタイミングで使用すると痛みが出にくいのか?」
「そもそも、薬を使用しない方が良い場合もある」など、一般の歯科医師よりも、非常に詳しいのが実情です。

 今回の記事では、根管治療専門医が根管治療中の薬による痛みや不快感」について
・なぜ、根管治療の薬で痛みや不快感が出るかの理由
・どの様にしたら、あなたの痛みや不快感が改善するのか
・妊娠中や授乳中は、薬をどうしたら良いのか

などについて、対処法も含めてお伝えします。

1 根管治療の薬は、なぜ使うの?

根管治療で使用する薬は、以下の3つに分類されます。

・洗浄薬
・消毒薬(貼薬:ちょうやく)
・根管充填剤

です。

①洗浄薬

根管治療の洗浄薬

洗浄薬は、歯科医院内での根管治療中に使用します。

根管の内部の「細菌に感染した神経」や、「以前に根管治療した際に入れた根管充填剤」を除去した後に、徹底的に洗浄薬にて洗浄します。

代表的な洗浄薬は以下の2種類です。
根管治療 洗浄 薬剤

次亜塩素酸ナトリウム

強力な殺菌作用があり、根管治療に必須の洗浄薬です。
大量に、じゃぶじゃぶ使用することで効果を発揮します。
しかしながら、歯茎についたり、喉にこぼれたり、根の先から漏れ出ると、治療終了後に強い痛みが
数日間〜数週間続きます。
このことから、ラバーダムの使用が重要になります。ラバーダムを使用していない場合は、重篤な医療事故(ヒポクロアクシデント)に繋がる場合があります。

根管治療に精通している歯科医院では、次亜塩素酸ナトリウムの「高い効果と危険性」を熟知しているのでラバーダムを行いながら、リスクを抑えた適切な使用が可能です

EDTA(イーディーティーエー)

根管治療でファイルという器具を使用します。その際に、根管内に「歯の削りカス」が溜まります。
多くの場合、その削りカスの中には細菌が隠れていますその削りカスを溶かすことが主な役目です。

しかしながら、不必要に長時間使用し続けると歯の強度が低下して、将来的に割れやすくなります。

根管治療に精通している歯科医院では、漫然と使用するのではなく「いかに短時間で、有効な使い方をするか」を大切にしています。

②消毒薬(貼薬:ちょうやく)

根管治療 消毒薬

消毒薬は、「歯科医院内での根管治療した日から、次回の治療日までの間に根管内に入れっぱなしにする薬」です。洗浄薬では殺菌しきれなかった根管内部の細菌を「時間をかけてじわじわ殺菌する」という目的があります。

代表的な消毒薬は以下の3種類です。
根管治療 貼薬

水酸化カルシウム

強いアルカリ性で根管内を殺菌する役目があり、根管治療専門医が使用する唯一の消毒薬です。
この消毒薬と接している部分のみが消毒されるので、キチンと根管内に詰められていないと効果を発揮しません。

根管治療専門医は、様々な技術で適切な量をキチンと詰めることが出来ます

FCCC

根管内でガスになり消毒作用を発揮します。歯科医院の消毒薬の様な匂いの原因の一つです。
しかし、歯の周囲組織に悪影響を及ぼすことが発覚しており他の先進国では使用されなくなっています。
日本でも根管治療専門医は使用しません。また、痛みがある場合(急性症状)に使用すると激痛を引き起こすことがあります。

ペリオドン

初めて神経をとる治療(抜髄治療)の後に使用されることが多い薬です。歯科医院の消毒薬の様な匂いの原因の一つです。しかし、歯の周囲組織に悪影響を及ぼすことが発覚しており他の先進国では使用されなくなっています。日本でも根管治療専門医は使用しません。また、痛みがある場合(急性症状)に使用すると激痛を引き起こすことがあります。

③根幹充填材

根管治療 根管充填材

根管充填剤は、「根管治療で消毒が完了したと判断した場合に、根管内に詰める最終の薬」です。
歯の中に、ずっと残り続ける薬なので非常に重要になります。

以下の表が、代表的な3つのパターンです。
根管充填剤 MTA バイオセラミックシーラー

まとめ

・洗浄剤には2種類ある。効果的に使用するにはラバーダムが欠かせない。
・消毒剤は、水酸化カルシウム以外は使用するべきではない。

・使用すべきでないホルマリン系消毒剤が「歯科医院特有の匂い」の原因になる。
・根管充填剤は、「MTA」もしくは「バイオセラミック含有のガッタパーチャと接着剤」が再発の少ない治療に繋がる。

2 根管治療後に薬を入れて痛みが出る原因

根管治療中に最も痛みが出現しやすいのは、消毒薬を使用するステップです。
この消毒薬は、下図の青線で囲っている「治療と治療の間に、消毒殺菌のために根管内に入れる薬」です。
この章では、消毒薬で痛む原因と対処法について解説したいと思います。
根管治療 消毒

2-1 痛みが消毒薬によって発生する仕組み


2-1-1 消毒薬が根っこの先から漏れ出た場合

消毒薬の種類によらず、歯の根の先端から消毒薬が多量に漏れ出た場合には痛みが生じることがあります。消毒薬は、「細菌を殺菌する」という利点がありますが、歯の根の周囲にとっては「強すぎる刺激」になるという欠点があります。また、ホルマリン系の消毒薬は「歯の根の周囲の組織を変性」させてしまい、長期的な違和感の原因になります。

2-1-2 強い痛みがある場合に、ホルマリン系の消毒薬を使用した場合

痛む場合は、痛み止めを飲んでも問題ありません。
しかし、「痛みどめを飲んでも効かない!」様な場合は、それ以上に我慢をせずに、かかりつけの歯科医院を受診しましょう!一度、消毒薬を除去し洗浄することで痛みが軽減していく場合があります。

コラム

“根管治療で、消毒薬は使用されなくなってきている!”

  • FCCC、ペリオドンと呼ばれるホルマリン系の消毒薬が、古くから日本の根管治療で使用されてきました。
    未だに多くの歯科医院で慣例的に使用されていますが、「歯の根の周囲の組織を変性」をさせてしまうことから根管治療専門医や、他の先進国では使用されなくなりました。
    「歯の根の周囲の組織を変性」することで、せっかく細菌が減少しても、歯の根の先の病気が正常に治癒してくれなくなります。それにより、痛みや違和感が継続することがあります。
    また、「神経障害性疼痛」などの慢性痛に移行する可能性もあるので注意が必要です。
    世界基準では、原則的に根管治療で消毒薬を使用しません。それによって根管治療後に「強い痛みや違和感リスク」が低くなります。
    ちなみに当ブログを運営するアスヒカル歯科では、健全な治癒を促し治療後の過度な痛みを避ける理由で、膿が多量に出る場合などの状況以外は、原則として消毒薬を使用してません。
    歯を長持ちさせる為に根管治療を受けるには、「歯科医院特有の匂い」がしない根管治療に精通している歯科医院を受診することが鉄則です。
    アスヒカル歯科根管治療専門サイト:https://osaka-endodontic.or.jp

2-2 薬が原因ではないが、痛みがでる場合

特に初めて神経をとる処置(抜髄治療)で起こります。

抜髄処置を受けた歯に痛みが出る理由は、神経を切り取ることによって、神経に「傷」ができます。
この傷口の痛みが、根管治療(抜髄)の痛みとなります。

「神経をとる」とは「悪くなった神経を正常な神経から切り取る」ことです。
針のような器具を使って、歯の根っこの先の位置で悪い神経を正常な神経から切り取ります。

その結果、正常な神経の端は「傷口」となります。

根管治療 痛み

悪い神経は取り除けているので、この傷口は自然と治っていくので何も問題はありません。神経が修復すれば痛みは治まります。多くに場合、「痛み止めが効かない痛みにはならない」ということがポイントです

今すぐ痛みを取りたいあなたへ!根管治療後の痛みへの対応を徹底解説

 

まとめ

・根管治療の薬の中でも、消毒薬で痛みが出ることが多い

・全ての消毒薬は、根の先から漏れ出ると痛みの原因となる

・痛みが出る原因は「薬が原因」と「薬が原因ではない」場合が存在する

・ホルマリン系消毒薬は、強い痛みがある時に使用すると、 
 激痛を引き起こすことがある。

・歯科医院特有の匂いがしない歯科医院が良い

・日本以外の先進国では水酸化カルシウムという薬以外は使用しない。

3 欧米先進国の根管治療では、基本的に消毒薬は使わない

前章では「消毒薬」のついて詳しく説明しました。

しかしながら、当院も含め海外の根管治療専門医の間では「可能な限り消毒薬を使用しない」ということが主流になりつつあります。

3-1 先進国で薬を使わない理由

前章であげたFCやペリオドンという薬は「ホルマリン系」と呼ばれる消毒薬ですが、歯の周りの組織に悪影響を与えることがわかっており、他の先進国では使用されていません。

また、水酸化カルシウムという消毒薬は、殺菌するために強いアルカリ性を示します。
通常の使用では、問題ありませんが、歯の根の先から多量に漏れ出た場合は、周囲の組織にダメージを与えて長期的に違和感が継続する要因となります。
この様なリスクを避ける為、可能な限り消毒薬を使用せず「洗浄薬を大量に使用し、可能な限り殺菌する」ことが大切とされています。よって
、当院でも「可能な限り消毒薬を使用しない」という海外基準の根管治療を行っています。

3-2 水酸化カルシウムを使う場合の理由

「可能な限り消毒薬を使用しない」ことが世界基準になってきています。

しかし、「消毒薬を使用する必要がある」場合があります。それは、「根管内の膿が多い場合」です。
膿が多い場合は、かなりの細菌が根管内外に存在している可能性があり、長時間かけて消毒する必要があります。

もちろん、この場合に使用する消毒薬は「水酸化カルシウム」のみです。
やはり、「膿が多い場合」でもリスクの高いホルマリン系消毒薬を使用する必要はありません。

消毒薬として「水酸化カルシウムのみ」を使用している歯科医院で根管治療を受けることをお勧めします。

よって、当院では膿が多量に出ている場合など患者さんのメリットが、リスクを上回ると判断できる場合にのみ水酸化カルシウムを使用しています。

この様な情報は、根管治療に精通している歯科医院特有のものですので、根管治療を受ける場合は根管治療に詳しい歯科医院の受診をオススメします。

アスヒカル歯科根管治療専門サイト:https://osaka-endodontic.or.jp

4 根管治療期間中に、薬液の味がする場合の理由と対処法

根管治療中に「薬の匂いがする」「薬の味がする」場合があります。

根管治療中に最も不快な匂いや味の不快感が出現しやすいのは、消毒薬を使用するステップです。
この消毒薬は、下図の青線で囲っている「治療と治療の間に、消毒殺菌のために根管内に入れる薬」です。

患者さんにとっては、かなり不快な状態ですよね。
この章では、代表的な理由2つと対処法をお伝えしていきます。

根管治療 消毒薬

4-1 治療中の仮蓋に隙間ができている場合

根管治療 仮封 漏洩

本来、根管治療の消毒薬は歯の中で「密封」されています。
しかしながら、何らかに理由で仮蓋に隙間ができてくると、そこから薬が漏れ出し不快な匂いや味の原因になります。

4-1-1治療間隔が空きすぎて、仮蓋の耐久期間を超えている

現在、歯科医院で使用される仮蓋の代表は「水硬性セメント」と呼ばれるセメントです。
この水硬性セメントの耐久期間は約2週間とされています。
よって、前回の治療から2週間以上、間隔が空いてしまうと隙間が発生し、内部の薬剤が流出します。

対処法:根管治療通院中は、なるべく2週間以上の治療間隔が開かないように予約を取りましょう。
事情があり、来院間隔が開くことがわかっている場合は、治療開始前に歯科医師に相談しましょう。
そうすれば、仮蓋の素材を耐久性の高い素材を使用することができます。

しかし、その場合は次回の治療時に簡単には除去できないので治療時間が長くなります。

4-1-2 仮蓋に使用するセメントの厚みが不足している

現在、主流とされている水硬性セメントが仮蓋の役目を果たすには「厚みが最低3mm以上」必要と言われています。根管治療中の歯に、工夫をせずに仮蓋をしている場合は3mm以下の場合が見られます。
その場合、しっかりとした密封が得られず、間隔が空いてしまうと隙間が発生し、内部の薬剤が流出します。

 対処法:患者さんサイドで出来る対処法はありません。もし、隙間を感じるときはスグに歯科医院にいきましょう。その隙間から再感染し、治療期間が長くなったり難治性になることがあります。

4-1-3  そもそも仮蓋の材料が適切ではない

現在は、水硬性セメントという材料が仮蓋の主流ですが、一昔前までは「ストッピング」というゴムの仮蓋材が使用されていました。このストッピングは、ガスバーナーで熱して軟らかくして歯に詰めます。しかしながら、歯の中で温度が下がると「収縮」してしまい、しっかりとした密封が得られず隙間が発生し、内部の薬剤が流出します。現在でも、ストッピングのみを使用している場合があるので注意が必要です。

 対処法:患者さんサイドで出来る対処法はありません。もし、仮蓋をする時に「熱いものが入ります」という声かけがある場合は、不適切な仮蓋の可能性があります。そこから、隙間ができてしまい、その隙間から再感染し、治療期間が長くなったり難治性になることがあります。

根管治療の成功を決める!根っこに充填する薬の役割・種類を徹底解説

4-2 歯茎に穴が開いている場合

根管治療 サイナストラクト

歯の根に病気がある場合、膿を排出するために小さな穴(サイナストラクト)が存在することがあります。
根管内に薬剤を入れた部分とつながっている場合は、その部分から薬の匂いなどを感じることがあります。
多くの場合、根管治療が順調に進むと小さい穴は消失します。そうすると、薬の匂いもなくなります。

まとめ

・治療期間が2週間以上開かないよう気を付ける

・治療期間が2週間以上開く場合は、事前に歯科医師に伝えておく

・歯茎に小さな穴がないのに、2週間以内に薬の匂いや味がする場合は仮蓋に問題がある可能性がある

・根管治療に精通している歯科医院は、仮蓋の素材や、隙間ができない方法について熟知してる

5 よくあるQ & A

Q1 妊娠中ですが、根管治療を受けても大丈夫ですか?

A . 安定期の治療は問題ありません。しかし、妊娠後期の治療は妊婦に負担が大きいので、安定期に入った後は早く受診をするようにしましょう。また、使用する薬剤、内服薬も注意する必要があります。治療前に歯科医師に妊娠している事をしっかりと伝えましょう。

Q2授乳中ですが、根管治療を受けても大丈夫ですか?

A.基本的に、問題ありません。しかし、使用する薬剤、内服薬も注意する必要があります。治療前に歯科医師に妊娠している事をしっかりと伝えましょう

Q3 根管治療をしている最中に、消毒薬が喉に漏れて喉が痛いけれど大丈夫なのか?

A.  ラバーダムをせずに治療をした可能性が考えられます。ラバーダムは、無菌的処置だけでなく医療事故を防ぐ上でも大切な処置です。もし、そのような状況の場合はしっかりとうがいを行い、自然治癒するまで待つしかないのが現状です。根管治療前に、歯科医師にラバーダムの使用をお願いしても良いでしょう。

6 薬による痛みに配慮した根管治療なら、アスヒカル歯科

アスヒカル歯科 根管治療

6-1 世界基準(欧米先進国レベル)の根管治療を受けることができる

何より大切なことは、設備よりも歯科医師の知識と技術です。

アスヒカル歯科の院長は、日本でも数少ないAAE(アメリカ歯内療法学会)の根管治療専門医です。
世界基準の経験と知識、技術で根管治療を行っています。

また、歯科医師向けの根管治療セミナーの講師もしており、若手歯科医師の育成にも取り組んでいます。

アスヒカル歯科根管治療専門サイト:https://osaka-endodontic.or.jp

根管治療専門医

治療技術と知識の向上を常に行なっております!

6-2 カウンセラーがいることで、治療内容や費用についての相談ができる

根管治療説明カウンセリング

アスヒカル歯科では、カウンセラーによる、カウンセリングの時間」を設けることが可能です。

・治療の内容や費用に関する疑問
・支払い方法(ローン、医療費控除etc)
・治療の不安

についても、患者様と二人三脚で相談しながら、治療をすすめていくことができます。

6-3 複雑な根管治療を行うには設備が必要

アスヒカル歯科ではマイクロスコープ(顕微鏡)やCTだけではなく、ラバーダムや最新の器具を揃えての治療を行なっています。

根管治療というものは、とても複雑かつ難しい治療です。
また歯を残していく最終手段に近い治療になります。
マイクロスコープを使うことで複雑な根管を見つけることができ、最新の器具でできるだけ再発をさせない治療に力を入れています。

きちんと治療をしたいと思われる方はぜひ、アスヒカル歯科へお問い合わせくださいね。

アスヒカル歯科根管治療専門サイト:https://osaka-endodontic.or.jp

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