65%。この数字が何を表しているかわかりますか?
この数字は根管治療を受けた後にズキズキ痛みを経験したことのある人の割合です。
治療後にズキズキ痛みがでて、治療に対して不安になった経験はありませか?
しかし、虫歯がひどく、根管治療(根っこの治療)を受けた後にズキズキ痛みが出るのは実は正常な神経の反応なのです。
治療後に痛みが出ても全く問題はありません。
当院では根管治療後には痛みが出る可能性があることを毎回必ず説明をします。
「なんで治療を受けた後なのに痛みが出るの?」と思いますよね?
それは、「根管治療とは神経を扱う治療」であり、治療後に出る痛みは病気ではなく、神経の正常な反応として出るからです。
もちろん、治療が失敗しても痛みが出る事はあります。
そもそも、どうして痛みが出るか知りたいですよね?
この記事では根管治療について治療の流れから痛みが出る理由、それに対する対応を歯科医師によって詳しく、写真や表を使って解りやすく説明していきます。
目次
1 根管治療後のズキズキ痛みの正体
まず根管治療(歯の根っこの治療)について説明します。
根管治療とは歯の根っこの治療をすることで、以下の2つに分けることができます。
歯の中には顎の中から枝分かれした神経があり、虫歯などの異常を教えてくれる役割を果たしています。
その神経はむし歯菌などの細菌が入ってくると炎症を起こし、痛みが出ると神経は残すことはできずに、神経を取り除く処置を行います。これを抜髄と言います。
さらに歯の根っこの中で細菌が増えると細菌はどんどん増え続け、神経を殺し、歯の根っこの先で膿の袋を作ります。この状態が続くと、細菌はさらに増えていき、顎の骨の中が感染し続けることになります。なので、歯の根っこの中の細菌と取り除き、細菌の増殖を抑える処置をします。これを感染根管治療と言います。
それでは、抜髄と感染根管治療の治療後に痛みが出る理由を、それぞれ詳しく説明していきます。
1-1 抜髄(神経を取る治療)後のズキズキ痛み
抜髄処置を受けた後に痛みが出る理由は、神経を切り取ることにより神経に「傷」ができるからです。
この傷口の痛みが、根管治療後(抜髄後)のズキズキ痛みとなるのです。
抜髄とは歯の中の神経をとる治療です。
「神経をとる」とは「悪くなった神経を正常な神経から切り取る」ことです。
針のような器具を使って歯の根っこの先の位置で悪い神経を正常な神経から切り取ります。
その結果、正常な神経の端は「傷口」となります。
悪い神経は取り除けているので、この切り取った傷口は自然と治っていくので何も問題はありません。
神経が修復すれば痛みは治まります。
痛みの解消方法
全く痛みが出ない人、2〜3日で治る人、7日ほどで治る人など個人差がありますが、通常3日ほど様子をみて治ると言われています。
痛みが強い場合は鎮痛剤を飲んで様子をみていきます。
参照
1-2 感染根管治療(歯の中の細菌を取り除く治療)後の痛み
感染根管治療後に痛みが出る理由には、以下の2つがあります。
➀歯の根っこの先まで器具で細菌を取り除くため顎の神経に触れるから
➁歯の根っこの中の細菌や消毒液による刺激
➀歯の根っこの先まで器具で細菌を取り除くため、顎の神経に触れる
感染根管治療は、歯の根っこの先まで細菌を取り除く治療です。
歯の根っこの先には正常な神経が存在し、感染根管治療も抜髄のときと同じで針のような器具を使って細菌を削りとっていきます。だから、治療中に器具が正常な神経に触れる事で治療後にズキズキ痛みが出ます。
痛みの原因は正常な神経に触れただけなので、2〜3日で痛みは消え特別な治療は必要ありません。
痛みが強い場合は鎮痛剤を飲んで様子をみていきます。
➁歯の根っこの中の細菌や消毒液による刺激
感染根管治療が必要な歯は根っこの中で細菌が繁殖している状態です。
感染根管治療は根っこの先まで細菌を取り除き、キレイにする必要があり、わずかですが歯の根っこの先の組織に細菌が押し出されたり、消毒液が触れたりします。
その刺激で痛みや腫れが出ることがあります。
痛みの解消方法
痛みが強い場合は鎮痛剤を飲んで様子をみるか、腫れがあれば来院してもらい、歯の根っこの中を洗浄し排膿があれば促していきます。
まとめ
2 痛みがあるときに取るべき対応(様子をみるか、歯医者に行くか、費用)
根管治療後の痛みに対して「様子をみる(経過観察)(鎮痛剤を飲む)」か「歯医者に行って治療を受ける」の決め手になるのは「時間」です。
・「期間(何日ぐらい痛いか)」
で判断します。
1章、2章で述べたように根管治療は神経に関わる処置なので、痛みが出ることは問題ありません。
個人差はありますが、7日は様子をみても問題ありません。痛みがある時の対応は以下のようになります。
鎮痛剤を飲んで様子をみていきます。歯医者で鎮痛剤は処方してもらえます。
7日経過しても痛みが消えなければ歯医者に行って治療を受けましょう。
治療直後でも痛みだけではなく腫れや、排膿があれば歯医者に行き、歯の根っこの洗浄と排膿を促す処置を受ける必要があります。
治療直後は痛みなく、治療終了後7日以降に痛みが出た場合は、治療が必要な可能性が高いです。
根管治療に伴う神経の痛みは治療後7日以降に発症する可能性は低く、何かしらのトラブルが起こっている可能性が高いです。
歯医者に行き、精査してから治療が必要になってきます。
費用
次に痛いが出た時に歯医者で治療を受けたときの費用について説明します。
保険での費用の内訳は「再診料+根貼+投薬」です。
歯医者を変えた場合は「初診料+感染根管処置+投薬」となります。
「根貼」は歯の根っこを洗浄する処置のことです。
保険治療の場合(*令和2年4月:保険診療10割負担の場合で計算)
・初診料 2400~2510円(医院の設備体制で変動)
・再診料(2回目以降) 440~510円(医院の設備体制で変動)
・感染根管処置 1560~4460円(歯の根の数で変動)
・根管貼薬 300~540円(歯の根の数で変動)
・レントゲン料 380~4100円(レントゲンのサイズやデジタル化で変動)
3 治療後に痛むのは失敗なのか
1章で述べたように根管治療後に出る痛みは特に問題はなく、痛みが強ければ、鎮痛剤を服用し様子をみていくことで問題ありません。
「痛み」=「失敗」ではありません。
しかし、失敗により治療後に痛みが出ることもあります。
根管治療の失敗には以下のものが挙げられます。
これらが原因で痛みが出ることがあります。痛みだけではなく歯茎が腫れてます。
これらは医師の技術の問題もありますが、術前の検査及び設備の不足も大きな原因です。
術前に十分な検査を行い、適切な設備があればこれらの失敗は避けることができます。
根管治療のための検査と設備として、
レントゲン撮影、CBCT撮影、マイクロスコープが挙げられます。
CBCTは歯を3次元的に把握することができ、目で見えない歯の形を把握することができます。
マイクロスコープは歯の根っこの中を細かくみて治療することができます。
検査及び治療時間を十分にとり、丁寧な根管治療を行っています。
当院のマイクロスコープ
当院のCBCT
まとめ
根管治療の失敗による痛みもある。
失敗を避けるためには十分な検査や設備充実した医院を選ぶ。
4 まとめ
根管治療後の痛みは、7日様子をみて歯医者に行くか判断します。
以上をふまえて、歯医者での治療が必要であれば
根管治療専門の歯医者で設備が十分整っている歯医者での治療をお勧めします。
費用は保険で再診なら500〜1000円ほど。
歯医者を変えたら、3000円〜4000円ほど。
アスヒカル歯科の特徴として
➀治療前、状態についてわかりやすく説明をしてくれること!
→診療椅子に座り、その場で簡単に事前説明をするのではなく、
しっかりと事前にカウンセリングの時間が確保されていることが大切です。
術前の検査結果や、必要な治療内容、予測できる結果など丁寧に説明しています。
→マイクロスコープで治療中に撮影した動画や静止画を用いて、
「今日、あなたの歯の中はこういう状態で、こういう治療をしました」とキチン説明してくれると
不安が軽減されます。
カリーナ社のマイクロスコープ動画撮影説明システム(ADMENIC DVP2)を採用しており、治療終了直後に歯科医師から実際の治療動画を用いて説明があります。
などがありますので、相談したいと思われた方は是非お問い合わせしてみてください。
アスヒカル歯科根管治療専門サイト :https://osaka-endodontic.or.jp
以上が根管治療後のズキズキ痛みの原因、対応になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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