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詰め物で成功が決まる!根管治療の詰め物を根管治療専門医が徹底解説

2021.04.16 (最終更新日:2021.04.16)
詰め物アイキャッチ

歯医者で治療中に「詰め物」という言葉をよく聞きますよね?

根管治療中にもよく「詰め物をして今日は終わりますね」や「根っこの中に最終の詰め物をして根管治療は終わりです」と聞いたことがあると思います。

根管治療における「詰め物」とは「仮蓋」と「根管充填材」の2種類あります。

「仮蓋」は次回の治療まで歯に開けた穴を埋める材料で、「根管充填剤」は根っこの中に最後に詰める材料です。

この2つは、それぞれ根管治療に使う「詰め物」です。しかし、用途と性質の違う材料です。

正しい材料を使用しなければ、いつまでも根管治療が終われず再治療になります。

それなら「詰め物」の種類や、正しい材料が何なのか知りたいですよね?

この記事では、

・根管治療における「詰め物」について種類や用途

・正しい材料や欠けたり痛みがある時の対応

などを、根管治療専門医が絵や表を使って詳しく説明していきます。

1 根管治療での詰め物には「仮蓋」と「根管充填材」の2種類ある

詰め物 一番目

 

根管治療における「詰め物」とは「仮蓋」と「根管充填材」の2種類あります。

通常根管治療は2〜3回治療回数がかかります。

 

詰め物ー流れ

上の図の①〜④までを23回かけて治療を行いますが、

「仮蓋」は次回の治療まで歯に開けた穴を埋める材料

「根管充填剤」は根っこの中に最後に詰める材料

として使用する材料(詰め物)です。

それぞれ詳しくみていきます。

「詰め物」が欠けていたり、痛みがある時は5章を今すぐみてください。

1-1仮蓋

詰め物ー仮蓋1

「仮蓋」とは根管治療期間中に次の治療までの間、歯にあけた穴の部分を封鎖する「仮」の「詰め物」です。

根管治療は通常23回治療回数がかかります。

根管治療は歯を大きく削り歯の中から根っこの管をキレイにする治療です。

根管治療は通常23回ほど治療回数がかかるのでその間「仮蓋」で穴を塞いでおきます。

次の治療で仮蓋を取って治療するので「仮蓋(仮の詰め物)」といいます。

ですので、この大きく削った穴を次の治療まで塞ぐ「詰め物」が「仮蓋」です。

1-2根管充填剤

根充材1

「根管充填剤」とは歯の根っこの中を封鎖する「詰め物」です。

歯の根っこの中には本来「歯の神経」が入っているのですが、根管治療を受けた歯の根っこの中には神経はなく、歯の根っこの管は空洞になっています。

この空洞に入れる詰め物を「根管(歯の根っこ)充填材(詰め物)」といいます。

ですので、この管の空洞に入れる「詰め物」が「根管充填材」です。

2根管治療で詰め物をする理由

1章で説明したように「詰め物」は2種類ありますが、それぞれ詰める理由があります。

「仮蓋」と「根管充填剤」両方に重要な役割がありますのでそれぞれ説明していきます。

2-1仮蓋を詰める理由

 

仮蓋理由1

 

仮蓋を詰める理由は、「次の治療までの間、歯の中に細菌が入るのを防止するため」です。

根管治療は歯を大きく削り、歯の中から根っこを治療します。

ですので、根管治療期間中は歯に大きく穴が空いています。

この削った穴をそのままにしておくと細菌が中に入り、歯の根っこが感染していきます。

根管治療をして歯の根っこの中がキレイになっても仮蓋をせず穴が空いた状態にしておくと、次の治療までの間に細菌が入りいつまでも治療を終わることができません。

ですので、仮蓋をし、次の治療までの間、細菌が歯の中に入るのを防止する必要があるのです。

2-2根管充填剤を詰める理由

詰め物根充理由1
根管充填剤を詰める理由は3つあります。
詰め物根根充理由2
の3つです。それぞれみていきます。
①歯の根っこの中を封鎖して細菌が入ってこないようにするため
Image-konnzyuuriyuu

根管充填をする一つ目の目的は「歯の根っこの中に細菌が入らないようにするため」です。

細菌が歯の根っこの中に入ると、歯の成分を栄養にして細菌がどんどん増えていきます。

細菌が増えると根っこ先で炎症が起こります。こうなると、再度根管治療が必要になります。

ですので、根管充填を行い、新たに細菌が歯の根っこの中に入らないようにする必要があります。
②歯の根っこの中に残った細菌が増えないようにスペースを埋めるため
Imade-huuzikome

 

根管治療で、針のような器具(ファイル)と洗浄液を使って歯の根っこの中をキレイにします。

しかしながら、治療をしても根管の中の細菌数を0(根管内の無菌化)にすることはできません。

どんなに歯の根っこの中をキレイにしても、細菌は必ず残ってしまいます。

根っこの中に残った細菌は、栄養とスペースがあるとどんどん増えていきます。

ですので、根っこの中に残った細菌がこれ以上増えないために根管内の隙間を埋める必要があります。

その隙間を埋めるために、根管充填をします。

根管充填材で根っこの中を封鎖することで細菌が増えるスペースを無くすことができます。
③治療した根っこを破折から守るため

Image-hasetuhusegu

 

 

根管充填をし、根管充填材と歯の根っこが密着することで封鎖できるだけではなく、歯の根っこが破折しにくくする効果があります。

根管治療をした歯は、根っこの内側を削っているので、根っこの厚みが薄くなります。

薄くなると歯が破折しやすくなります。

この薄くなった根っこを根管充填することで内側から補強し破折から守ることができます。

3 仮蓋に適しているのは「水硬性セメント」

          

                水硬性セメント
キャビトン
                               写真参照:ジーシー

 

仮蓋にはいくつか種類がありますが、1番適しているのは「水硬性セメント」です。

細菌が歯の中に侵入することを防ぐためならば、レジンやベースセメントという硬い材料も適していますが、この2つは除去するために歯を削ってしまいます。除去に時間もかかるので、仮蓋としては「水硬性セメント」が1番適している材料です。

しかしながら、水硬性セメントは2週間に一回は交換が必要な材料なので、2週間以上治療を受けられない時は、より硬い材料で仮蓋をすることをお勧めします。

ストッピングという材料がありますが、この材料は仮蓋として適していません。

なぜなら、ストッピングは操作性は良く除去も容易にできますが、封鎖性に問題があり細菌が歯の中に入ることを防止できません。
仮蓋もれ

ですので、仮蓋にはストッピングは使用しません。

どの仮蓋を使っているか知りたい方は担当の先生に確認してみて下さい。

4「根管充填剤」に適しているのは「ガッタパーチャ+バイオセラミックシーラー」or「MTA」

 

4-1根管充填剤の種類

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根管充填材は種類があり、保険治療と自費治療で使える材料が違います。

それぞれの特徴を表にまとめました。

 

Image-hyoukonnzyuuzai

 

 

・保険適応のガッタパーチャ+シーラー

 保険適応のガッタパーチャは、治療後に体内に吸収されず、安定して根っこの中に存在します。

また、操作性がいいことも特徴の一つです。

しかし、

・封鎖性

・機械的強度など

 根管充填剤として必要な、様々な性質が低いので再感染を起こす可能性があります。

シーラーは体に害はありませんが、歯の根っこの先に触れると刺激があったり、時間が経つと吸収されなくなります。

長期的にみると、再治療となる可能性が高い根管充填剤となります。
・バイオセラミックシーラー+専用のガッタパーチャポイント
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                                                                                    写真参照:株式会社ヨシダ

バイオセラミックシーラーとはMTAの性質に近いシーラーです。

ですので、従来の保険治療適応のシーラーと比べ、封鎖性や強度など根管充填材に適した性質を持っています。

また、根っこの内側と接着し、操作性もいいので根管充填に適した材料といえます。

専用のガッタパーチャとは、根っこをキレイにするために使った針のような器具(ファイル)の形にピッタリと合ったガッタパーチャのことです。保険適応の物と比べメーカーごと、ファイルの形とガッタパーチャの形が一致するよう精密に作られています。

この2つを使用することでキレイになった根っこの形に合った緊密な根管充填をすることができます。
・MTA
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                                                                                     写真参照:Dentsply Tulsa

MTAは、最も根管充填に適した材料です。

上に表からもわかるように、操作性以外の根管充填剤としても性質を全て持っています。

再治療、破折による抜歯のリスクを軽減できる最適の材料です。

操作性が低く、キレイに根管充填をするには高い技術が必要ですがキレイに詰めることができれば長期的に根っこの中を健康に保つことができます。

4-2根管充填剤には「ガッタパーチャ+バイオセラミックシーラー」orMTA」を選んでください!

MTAがいい表

 

根管充填材はかならず「ガッタパーチャ+バイオセラミックシーラー」か「MTA」を選択して下さい。

従来の保険適応の「ガッタパーチャ+シーラー」だと封鎖性が悪く、機械的強度も低いのです。

また、従来の保険適応の根管充填剤だと、再根管治療、最悪の場合には抜歯になる可能性があります。

根管充填剤の性質を考えると、「ガッタパーチャ+バイオセラミックシーラー」か「MTA」を選択しなければなりません。

ですので、歯科医院選びも「ガッタパーチャ+バイオセラミックシーラー」か「MTA」で根管充填をしている医院を選んで下さい!

・根管充填の例

根管充填を症例使って説明します。

MTAで根管充填した症例です。

根っこの先にある黒い影(病変)がキレイに消えているのが確認できます。
Image-mtanaotta

5 詰め物が欠けたり、痛みが出た時は今すぐ歯医者へ!

仮蓋かけたら歯医者へ

 

仮蓋がかけていると、歯の中に細菌が入り、いつまでも歯の中が感染し続けることになります。

この状態を放置していると、前回の治療の効果がなく、同じ治療を繰り返す必要があります。

ですので、仮蓋が欠けた時は放置せず今すぐ歯医者に行きましょう!

6 詰め物をするなら根管治療専門医で!

再治療にならないため、詰め物である仮蓋や根管充填剤の「質」がとても重要になります。

2章で述べたように詰め物をする目的は

仮蓋:次の治療までの間、歯の中に細菌が入るのを防止するため

根管充填剤:歯の根っこの中を封鎖して細菌が入ってこないようにするため

      歯の根っこの中に残った細菌が増えないようにスペースを埋めるため

      治療した根っこを破折から守るため

 

です。

どちらも失敗すれば歯の根っこの中で感染が起こり再根管治療が必要になります。

歯の根っこの中は目では見ることができず、治療がとても困難な場所です。

その根っこの中を再治療にならないよう根管治療を行うには高い技術が必要におなります。

高い精度の根管治療を受けるために、根管治療専門医に治療してもらうことをお勧めします。

十分な知識と世界レベルの技術を持つ根管治療専門の歯科医師、レントゲンだけだは把握できない歯の根っこの形態を調べるために使うCBCT、拡大して歯の根っこの中を見ることができるマイクロスコープなどが揃っていることで精度の高い根管充填を行うことができます。

6-2 アスヒカル歯科では精度の高い根管治療をしています!

根管治療が上手い歯科医院
アスヒカル歯科にはアメリカの根管治療の学会(AAE)での認定資格をもち、またトロント大学の認定資格を持つ世界基準の知識と技術を持つ根管治療専門医による根管治療をしております。
院長専門医
また精密根管治療に必須なマイクロスコープとCBCTが設備しています。
マイクロスコープ:根管治療は目では見えない歯に根っこの中を手探りで行う治療ですが、マイクロスコープを使用することにより「みながら治療を行う」ことができ、歯の根っこの中を異変を見逃すことなく治療を行えます。
マイクロスコープ症例
CBCT:デンタルX線のみでは2次元でしか情報を得ることができませんが、CBCTを用いることにより3次元的に情報を得ることができます。その結果、病態や歯の解剖学的な位置関係を正確に把握することができます。
CBCT症例

アスヒカル歯科では適切な器具や設備があり、専門的な知識をも持ち、十分なトレーニングを積んだ専門医により、精度の高い根管治療を受けることができるので、再治療を回避でき長く自分の歯を残すことができます。

アスヒカル歯科の根管治療専用ページのリンクを貼っておきますので、詳しく知りたい方はご覧ください。

アスヒカル歯科の根管治療専用ページ https://osaka-endodontic.or.jp/about.php

7 まとめ

根管治療での詰め物には「仮蓋」と「根管充填材」の2種類ある
詰め物 一番目
仮蓋を詰める理由は、次の治療までの間、歯の中に細菌が入るのを防止するため
仮蓋理由1
根管充填をする理由は3 つ
詰め物根充理由1

仮蓋に適しているのは「水硬性セメント」

根管充填剤に適しているのは「ガッタパーチャ+バイオセラミックシーラー」or「MTA」

・詰め物が欠けたり、痛みが出た時は今すぐ歯医者へ!
仮蓋かけたら歯医者へ
・アスヒカル歯科では精度の高い根管治療を行なっています!
根管治療が上手い歯科医院

アスヒカル歯科の根管治療専用ページ https://osaka-endodontic.or.jp/about.php

 

 以上が根管治療での詰め物の説明になります。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

            

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