『この歯は抜歯ですね・・・』と歯科医院で宣告されてしまった。
抜くのは怖い・・・
『本当に抜かなければならないのか?できれば抜きたくない・・・』
そんな不安なあなたに、少しでも該当する項目があれば抜歯を回避できるかもしれません。
今回は、抜歯を回避できる治療方法や歯科医院見つけることに少しでも参考になればと記事を書いてみました。
目次
1 歯を抜かないといけない症状・原因とは?
歯を失う原因とは?
公益財団法人8020推進財団:第2回永久歯の抜歯原因調査報告2018年によると
1位は歯周病
2位が虫歯
3位に破折
と報告されています。
では、どのような症状、状態になれば抜歯になってしまうのかをみていきましょう
1−1 重度歯周病で抜歯になる症状・原因
歯周病とは、その名の通り「歯の周りの病気」で、歯を支えている歯茎(歯肉)や骨(歯槽骨)が壊されていく病気です。原因はプラークという細菌の塊です。歯周病が進行していくと、歯を支える骨が溶けていき、歯は揺れ出します。だんだんと自分の噛む力にも耐えられなくなり、自然に脱落してしまうこともあります。
歯周病で抜歯と宣告された歯は、重度歯周病と診断される状態で、『治療方法が抜歯』ということになるのです。
歯を抜かずに残して置くことの方がデメリットになります。抜歯をしないことで周囲の歯にまで悪影響を及ぼしてしまうのです。
歯周病は自覚症状がほとんどなく進行していく恐ろしい病気です。歯科検診に行くことで早期発見、早期治療が歯周病で抜歯にしない最も大切なポイントになります。
以下のような症状は、ありませんか?
1−2 虫歯で抜歯(縁下カリエス)になる症状・原因
虫歯とは、医学的には『う蝕(うしょく)』と呼ばれプラーク(歯垢しこう)の中にいる虫歯菌が酸を出し
歯を溶かしてしまう病気です。
虫歯での抜歯の基準
虫歯が歯肉縁下(歯茎の中)まで及んでいる状態です。
虫歯がひどくなり、歯の上部の部分は、崩壊され根っこだけの状態です。
痛みは通り越して神経は死んでしまい、もう痛む事はありません。死んでしまった神経は腐敗していき悪臭を放ちます。歯の根の先に感染した膿のかたまりが大きい場合は抜歯と診断されることが多いのです。
1−3 破折(はせつ)で抜歯になる症状・原因
歯が破折する原因は多くの場合、自分の噛む力によってです。
以前に虫歯治療を受けた歯は、虫歯を除去されていることで、自身の歯質の量が少なくなってしまっている為非常に割れやすいです。神経を取っている歯は痛みも感じない為、割れていることに気がつかない事も多いのです。
破折歯の写真
歯が割れている場合は抜歯の診断をされることが多いです。
しかし同じ破折でも割れている状態にもよります。欠けたり横に亀裂が入った場合は抜かずに残せる可能性もあるのですが、歯が根まで縦に破折してしまっている場合は、残念ながら抜歯となります。
なぜなら、割れてしまった隙間に細菌が入り繁殖して痛みや歯茎の腫れが生じるからです。
抜歯しなければ細菌を取り除くことができません。放置すれば細菌は増え、歯を支えている骨を溶かします。
したがって抜歯をすることが治療となります
2 歯を抜かない治療方
実は、歯科医師の診察事態が技量経験により治療方法を
知らないことで抜歯という選択になっている場合があります。
知識と技術のある歯科医師、設備がある歯科医院では抜歯と言われた歯も残せる可能性があるのです。
https://asuhikaru-shika.com/knowledge/nervous-dacay
2−1 歯周病でも 歯を抜かない治療方法
ひどい歯周病でも歯を抜かずに残していける治療方法はあります。
それは、歯周外科、歯周組織再生療法など専門的な処置です。
歯周外科では、フラップ手術と呼ばれる歯茎の手術で歯の根っこの方にまで付いた歯石を歯茎を切開して除去していく処置です。
歯周組織再生療法は、こちらも歯茎の手術ですが特殊な素材(エムドゲイン)を用いて失われた骨を再生して処置です。
2−2 虫歯でも 歯を抜かない3つの治療方
ここでは、ひどい虫歯で抜歯を宣告されたが、
大きく3つの方法で歯を残していける可能性がある治療方法をお伝えします。
1つ目は、根管治療の専門医による治療で根管治療を成功させること。
そして、歯茎の中まで侵入した虫歯を除去し、健全な歯質を歯茎の上まで出す2つの治療法。そこで初めて被せ物を入れることができ歯を復元できるのです。
2−2−1 根管治療
根管治療とは、歯の中にある神経(歯髄)の管(根管)の治療をすることです。
深い虫歯、歯の亀裂、外傷などが原因で歯髄が炎症や感染を起こした時にする処置で
痛んだ歯髄を除去して、根管内を清掃し再度の感染を防ぐ為に根の中に詰め物をします。
このように歯髄を除去することを抜髄と呼びます。一方、以前に根管治療を経験した歯が再度感染を起こしてしまった場合にも根管治療は行われます。この場合、感染根管治療と呼びます。治療の方法は根管内に神経がある場合とない場合では異なります。
https://osaka-endodontic.or.jp/index.php
根管治療専門医による根管治療は、他院で抜歯を宣告された歯の治療を数多く成功させています。なぜ根管治療専門医による治療が歯を残せるのかというと、一般歯科による根管治療とは全く治療方法(専門的な知識・技術)や機材、材料、治療時間に違いがあるからです。肉眼では見えない根管内をC B C Tの3Dによるレントゲンで診断していく。
感染の原因は細菌で治療後に再発させない為にもラバーダムというゴムのマスクを使用して無菌状態で治療をする。マイクロスコープという歯科用顕微鏡を用いて暗くて見えない根の中を拡大して治療をしていく。
など、精密な根管治療により、抜歯を宣告された歯も残していくことができる可能性が高いのです。
この根管治療を終えた歯でも完治しない場合は、精密根管治療外科処置として
アピコ(歯根端切除術)や意図的再植という方法で
さらなる抜歯を回避する方法があるのです。根管治療専門医は、諦めず歯を残していくことに努めます。
抜歯を宣告された歯の根管治療が成功しても、歯が根っこしか残っていなければ
歯冠を復元することはできず、噛める歯にはなりません。
では、ここからは歯冠を復元していく為の治療方法をご紹介します。
2−2−2 エクストリージョン(部分矯正)
虫歯が歯肉縁下(歯茎の中)まで及んでいる場合や根っこしか残っていない状態は抜歯と診断されることが多いです。
なぜなら、歯肉より上に歯がない場合、土台や被せ物を入れていくことができないからです。しかし、歯肉の中の歯質を引っ張り出す(部分矯正)エクストリージョンという処置で歯肉より上に歯質をゴムの力で出すことができ、安定した土台や被せ物を入れることがで抜歯を回避することができます。
2−2−3 クラウンレングスニング(歯冠長延長術)
エクストリージョンと同じように虫歯が歯肉縁下まで及んでいる場合、クラウンレングスニングで歯質を歯肉の上に出すことができます。
外科的な処置になるのですが歯茎の位置を切除して下げることで歯質を歯肉の上に出すことができるのです。
2−3 破折でも歯を抜かない治療方法
破折の状態によっては、抜かなくても歯を残せる治療があります。
以下のイラストのように歯の上部が破折やひびが入っている状態であれば
被せ物などで歯を残す事ができます。
抜歯となる歯の根っこまで割れてしまえば抜歯となることがほとんどですが
エクストリージョン(部分矯正)で挺出させれば残せる場合もあります。
3 歯を抜かずに治療するために重要なこと
歯を抜かずに治療する為に重要なことは、毎日のお口のケアと
日頃からの歯科医院でのメンテナンスでご自分の歯の状態を常に把握しておくことです。
なぜなら、痛みや症状が出てからでは、取り返しがつかないことが多いのが歯科治療です。
しかし、症状が出て歯医者に行ったが、やはり取り返しがつかない状態だった。抜歯を宣告された・・・。
そんな方もまずは諦めないで歯周病専門医院、根管治療専門医院など専門の医院でご相談されることで歯を抜かずに治療していくことが可能になる場合があります
メンテナンスの具体的な頻度としては状態にもよりますが、3ヶ月に1度をお勧めしております。お口の中のトラブルを起こす虫歯、歯周病の原因は細菌です。メンテナンスの目的はその細菌を除去して減らしていく事!また虫歯や歯周病を早期発見する事なのです。
特に30代40代はお口が変化する時期、メンテナンスが重要になってくるのです。
4 歯を抜かない治療のメリット・デメリット
歯を抜かない治療のメリットは、抜歯を回避し自身の歯をより長く使うことができることです。
デメリットとしては、治療費や治療回数、時間がかかってしまうことが上げられます。歯は抜いてしまえば元に戻すことはできません。
自身の歯は何にも変えがたい貴重なものなのです。
天然の歯をお金で換算することはできませんが、
事故で失った歯の損害賠償金額は、1本、数百万円支払われることもあります。
5 抜歯を回避した症例
歯周病で他の歯も失い部分入れ歯を使われている患者様。
これ以上歯を失いたくないとエムドゲインを使用して歯周組織再生療法の処置を受けました。6ヶ月後歯周組織が再生してきました。抜歯を回避することができました。
以前に根管治療を受けた歯が再発。精密根管治療を受けたが完治せず意図的再植をしたことで膿の影は消え症状もなくなり抜歯を回避することができました。
前歯をぶつけて破折してしまい他院で抜歯と言われた40代男性。
エクストリュージョン(部分矯正)で歯を引っ張り出すことができました。
4ヶ月で被せ物も入れることができました。
6 抜かない治療に精通した歯科医院の特徴
・根管治療の専門医がいること。
・トリートメントコーディネーターがいること。
・オーダーメイドケアをしてくれる、歯科衛生士がいること。
根管治療専門医院は、様々な方法により抜歯と宣告された歯も残していける治療を行うことが可能です。
専門的な知識、技術、最新設備を兼ね揃えている根管治療専門医院で是非、抜歯を回避できる治療を受けて
ご自身の歯をより長く使っていただきたいと思います。
次にトリートメントコーディネーターがいる歯科医院です。
なぜなら、抜歯に至る可能性が高くなってしまう理由は、治療を中断してしまうことです。
虫歯や歯周病は重度になると治療回数が増えて治療期間が長くなってしまいます。
治療が長くなることで多忙な中、通院の時間を作ることが難しくなる、また痛みがなくなると通院できなくなってしまう。結果、次に来院された時は抜歯になる方が多いのです。
そんな辛い通院期間もトリートメントコーディネーターが治療完了までしっかりとご相談に応じサポートしていきますので、安心して治療を完了することができるのです。
最後に、患者さま一人一人のオーダーメイドのケアをしてくれる歯科衛生士がいることです。
お口の中の歯並びは千差万別。ハブラシの種類、大きさ、ブラシの硬さ、歯磨き粉の種類、フロスや歯間ブラシの使う場所やテクニック。日頃の食生活相談までしっかりと把握し、虫歯や歯周病のリスク診断をしていきます。そしてあなただけのハミガキテクニックをお伝えしていきます。治療中から治療完了後のメンテナンスまでしっかりとケアをしていくことで歯を抜かないように、長く使っていけるようにサポートしていく
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