「歯周ポケット」
テレビCMでよく聞く言葉ですね。聞いたことはあるけれど詳しくは知らないな、という人は多いのではないでしょうか。
歯周病は「日本人が歯を失う原因、第1位」「世界で最も蔓延している感染症」とも言われています。
歯周ポケットを理解することは、歯周病を理解するうえで重要なことです。
この記事で正しく「歯周ポケット」を理解してもらい、歯周病について知っていただく一助となれれば嬉しいです。
目次
1 歯周ポケットとは
歯と歯茎の間に存在する溝のことを「歯肉溝」といいます。
健全な歯肉溝の深さは0.5~3mm程度と言われていますが、この溝の中に歯垢などの汚れがたまると、歯肉溝の深さはどんどん深くなっていきます。そして、最終的には、病的な状態になってしまいます。
このような病的な状態を「歯周ポケット」と呼びます。
2 歯周ポケットの深さ
歯周ポケットの深さによって、歯周病の進行度がわかります。
歯周ポケットの検査方法と、深さで診断される段階別の歯周病進行度を確認しましょう。
2 ー1 歯周ポケットの検査方法(プロービング検査)
歯肉溝にプローブと呼ばれる目盛のついた検査器具を入れて、歯肉の入り口から底までの距離を測定します。距離(深さ)が長ければ長いほど、重症だと判断されます。
2 ー2 歯周ポケットの深さによる歯周病重症度の判断基準
一般的に歯肉溝(歯周ポケット)の深さが3mm以内だと健康な歯肉と考えられ、4mmからが歯周病と考えます。より深ければ深いほど重度であり、深さ別の重症度を抑えておきましょう。
3 歯周ポケットの改善方法
歯周ポケットの改善には
・自身でのセルフケアで改善する場合と
・セルフケアに加えて歯科医院での治療を合わせて行う必要がある場合があります。
ただし、より重要になるのは「セルフケア」です。
ここでは、歯科医院での治療方法とセルフケアについて紹介します。
3 ー1 歯科医院での歯周ポケットの改善方法
3 ー1ー1 ブラッシング指導
歯周ポケットの改善には、歯垢などの汚れを自分で除去できるようになることが必要です。
セルフケアを効果的に行ってもらうために、まずは、自身のブラッシングの特徴を知ることが重要です。
汚れ(プラークなど)を、特殊な薬液で染め出しを行います。
・どの部分に磨き残しがあるのか
・しっかり磨けているのか
などを、一緒に確認してもらい
・歯ブラシの選び方
・歯周病の特化した歯磨きの仕方の改善点
まで患者様ひとりひとりに合ったセルフケアを伝えていきます。
3 ー1ー2 スケーリング・ルートプレーニング
スケーリングとは「専用の器具を使って歯茎の上や歯周ポケット内の歯に付着した歯垢や歯石を除去する処置」です。
歯石はブラッシングでは除去できないため。歯科医院での専門的な処置が必要になります。
また、ルートプレーニングとはスケーリング後に、歯根の表面を滑かにし、再び歯石が付着することを予防します。
深い歯周ポケット内には歯石が付着していることが多く、歯石を除去しなければ改善することはありません。
歯石の硬さ、付着量、付着している場所には個人差があり、1度の来院では全ての歯石を除去することができないことがあり、複数回来院していただく必要があります。
患者様の協力が必要になる処置なのです。
3 ー1ー3 歯周外科治療(フラップ手術)
歯周ポケットが深い場合、深い位置にある歯石を除去できないことがあります。
歯周外科治療(フラップ手術)は歯ぐきを切って歯根を露出し、直接歯石が見える状態にしてスケーリングを行います。
直接見える状態で処置するため、より一層確実に歯石の除去が行えて歯周ポケットの改善へとつながります。
歯石の除去ができた後は、歯ぐきを元の位置に戻して縫合します。そして、1週間後に抜糸して歯ぐきの治癒を待ちます。
3 ー2 自身できる歯周ポケットの改善方法
セルフケアしかありません!
1ヶ月に1回歯医者に行ったとしても1年に12日、残りの350日以上はセルフケアになります。そのセルフケアの方法が間違っていてはいくら頑張っても歯周ポケットの改善はないでしょう。
そこで、1度歯科医院でのブラッシングの相談をされてみてはいかがでしょうか。
セルフケアの方法のひとつ目としては、やはり「歯磨き」です!
歯ブラシの当て方には歯磨きの目的別に種類があります。
また、歯ブラシにもブラシの大きさ、毛の硬さなど歯ブラシにも目的別に種類があります。
セルフケアグッズは、他にもフロス(糸ようじ)や歯間ブラシがあり、歯科衛生士から使い方の指導を受けるとより効果的に使用できるようになります。
フロスや歯間ブラシを毎日するのは面倒だなと感じる方が多いと思います。しかし、歯と歯の間の汚れを除去するには非常に効果的なグッズです。まずは、週に1度でいいので試してみてください♬
ブラッシング指導を受けてより効果的なセルフケアを行い、歯周ポケットの改善を目指しましょう。
4 歯周ポケットに関する相談はアスヒカル歯科へ
「歯周ポケットの検査を受けたことがないので受けてみようかな」という方から、「すでに深い歯周ポケットがあると言われて改善したいという方」まで、どんな方でもまずはアスヒカル歯科へ相談に来られてください。
アスヒカル歯科の歯科医師、歯科衛生士は歯周病に関する知識から、処置の技術まで研鑽を積んでおります。
また、アスヒカル歯科にはカウンセラーも在籍し、治療に関する詳しいご説明、治療費の支払い方法や支払額についても、患者様と丁寧にお話しさせていただいております。
5 まとめ
・歯周ポケットとは
歯と歯茎の間にある「歯肉溝」の中に歯垢などの汚れがたまり、歯肉溝の深さが深くなっていき病的な状態になることを「歯周ポケット」と呼びます
・歯周ポケットの深さによる歯周病重症度の判断基準
・歯周ポケットの改善方法
コメント