「歯髄再生治療」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
歯科でも、目まぐるしく治療の進歩が行われています。
今回は歯科の治療の中でも、最新の治療について手順や流れ、期間についてもご説明をしていきます。
目次
1歯髄再生治療とは
歯髄再生治療とは、一度死んでしまった神経を蘇らせる最新の治療方法です。
ご自身の親知らずなどの「不要な歯」から「歯髄幹細胞」と呼ばれるものを取り出し、失ってしまった神経のある根管に移植することで、歯髄を蘇らせるという治療となります。
2歯髄再生治療の流れ
続いて、歯髄再生治療の流れについて解説をしていきます。
歯髄再生治療では大きく9つのステップに分かれて治療を行います!
ステップ1 神経がない歯、もしくは神経が死んでしまっている歯があるかを確認する
ステップ1では、そもそも神経を本当に取らなくてはいけない歯があるのか、すでに神経をとってしまいない歯があるのかを確認する必要があります。
レントゲンを撮影したり、歯に電気を当てて刺激があるかの確認など神経が死んでいるかを確認します。
ステップ2 不要な歯の抜歯を行う
歯髄再生治療では、親知らずなど不要歯の抜歯が必要です。
抜歯をするまでに同意書を取ったり、患者様との契約が必要です。それが完了すればいよいよ抜歯となります。
それまでに、おおよそ2週間程度期間が必要です。
ステップ3 抜歯した歯から「歯髄幹細胞」を取り出す
その後、抜歯をした歯から「歯髄幹細胞」と呼ばれる細胞を取り出します。これは専門の機関へ、抜歯した歯を送り取り出す作業を行なってもらいます。
ステップ4 「歯髄幹細胞」を増殖させる
見事に歯髄幹細胞を取り出すことができれば、次は「歯髄幹細胞」を増殖させていきます。
それにかかる期間が1~2ヶ月程度必要です。
ステップ5 歯の神経を除去し根管内部を無菌化にする
無事に培養が完了したら、いよいよ移植の準備を開始していきます。
患者様の死んでしまった神経を取りだし、根管内を綺麗に無菌状態にしていきます。
この時、ただの根管治療での洗浄に加えて、根管内部が無菌であるかどうかを検査する必要があり、根管治療と合わせて根っこの洗浄で約1ヶ月程度期間が必要となります。
ステップ6 「歯髄幹細胞」を移植する
根管内部が綺麗に無菌状態になったことが確認できれば、いよいよ歯髄幹細胞移植となります。
歯髄幹細胞移植は、基本的には1回の治療で移植を行います。
専門の機材を使用し、慎重に移植を行います。
ステップ7 神経が再生しているかの確認を行う
移植が無事に終われば、あとは神経が生き返っているかの確認を行います。
歯に微量の刺激を与えて反応があるかを確認するのです。
ステップ8 被せ物を入れ、噛めるようにする
無事に神経が生きていることが確認できれば、歯に土台を立て、噛めるように被せ物を作成していきます。
被せ物が入れば、食事をすることも可能となります。
ステップ9 定期検診
移植が完了したら、ここからは定期的に検診が必要となります。
歯に電気信号を与えて神経が生きているかを確認する必要があるからです。
移植後から1年程度、定期的に確認していく必要があります。
歯髄が復活していくには、移植をしてその後の患者様自身の治癒力もとても大切です。
ですので、移植後の歯髄が復活していくまでの定期的な検診で確認をとり、神経に反応があるのかどうかというのを確認していく必要があります。
その確認で、一時的に神経の反応があったとしても、その後反応がなくなってしまっては良くありませんし、歯髄を移植後の食生活等で虫歯を作ってしまっては、再度神経を取らなければならない可能性もあります。
つまり、定期的にプロの目で歯の状態を確認し、素早く対処できるためにもその後の検診がとても大切ということです。
以上の9つのステップで歯髄再生治療は行われます。
3歯髄再生治療が適応の人について解説
では次に、歯髄再生治療はどんな人に適応なのかというご説明をしていきます。
大きく3つの種類に分かれ、
1つ目は「歯医者さんで神経を取る必要があると言われた方」、
2つ目は「歯医者ですでに神経をとってしまったが、現在根管治療中の方」、
3つ目は「歯医者で最終的な薬剤を詰めてしまっている方」
のどれかに当てはまる方は、この歯髄再生治療を受けることが向いています。
虫歯などで神経を失ってしまうと、歯はもろく割れやすい状態になります。
それだけでなく、神経が無いことで虫歯ができてしまった時に痛みを感じることがなく、気づいた時には歯を抜歯しないといけなくなってしまったとおっしゃられる方もたくさんおられます。
そんな方に、歯髄再生治療を行なっていただき、虫歯ができてもすぐに感じ取れるように、また歯を長持ちさせるためにも、神経を失ったり、根管治療中の方などにこの治療をお勧めしております。
4歯髄再生治療は日本でも少数の治療
この「歯髄再生治療」と呼ばれる治療方法は、日本でも指で数えられるぐらいのごくわずかな歯科医院でしか行われていません。
治療を行うためには、設備や知識など非常に厳しい審査をクリアして、厚生労働省にこの治療を行うことを許可してもらう必要があります。
やはり、国も安全性を第一に考えるので、それに耐えうるクオリティの歯科医院、許可されている施設は、現状非常に少ないのです。
5アスヒカル歯科では歯髄再生治療を行っています!
アスヒカル歯科では、この「歯髄再生治療」を行っています。
ごく少数の歯科医院でしか行われていませんが、治療が成功すればメリットも大きく、歯の寿命も大きく伸ばすことのできる治療方法です。
当医院の歯科医師、スタッフも何度も勉強を行い技術も知識も勉強をして治療を行なっております。
6まとめ
・歯髄再生治療とは死んでしまった歯の神経を蘇らせる治療方法のこと
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