インプラントについて調べると、メインテナンスについて目にすることが多くありませんか?
メンテナンスはどの治療でも大切ですが、インプラントにおけるメインテナンスは特に重要となります。
それはインプラントが体内(顎の骨の中)に人工物を埋め込む治療だからです。そのため他の治療と比較して常にお口の中の影響を受けやすい状態になっているのです。
ですので長期的にインプラントを長持ちさせるには定期的にメインテナンスを受け、常にお口の中を健康な状態を維持する必要があります。
それなら、インプラントにおけるメインテナンスとは何をするのか、どれぐらいの期間で受ければいいのか、費用はいくらか、また、メンテナンスを受けなければどうなるかなど知りたいですよね?
目次
1 インプラントを長持ちさせるために、メインテナンスは絶対必要!
インプラントを入れた場合、「必ず」メンテナンスを受けなければなりません。
その理由は、インプラントが顎の骨に埋め込まれていてお口の中環境と体内(顎の骨の中)が繋がっている状態からです。
だから、常にお口の中からの影響を受けているのです。
メインテナンスを受けインプラント周囲を健康な状態を維持しなければ、細菌が溜まってしまい炎症がおきます。そして、インプラント周囲の粘膜が炎症する「インプラント周囲粘膜炎」という病気やインプラント周囲の顎の骨にまで炎症が及んだ「インプラント周囲炎」という病気になります。
インプラントは細菌に対する抵抗性が弱いので、このような状態が続くと腫れや痛みが出てきてしまい、その結果、骨がなくなりインプラントが揺れるなどの症状が起こります。
この状態になると、インプラントを支えることができなくなり、インプラントは抜け落ちてしまう可能性があります。
ですので、インプラントを長期的に健康な状態を維持するためにメインテナンスを必ず受けなければなりません。
2インプラントのメインテナンスでチェックするポイント
I-インプラント周囲組織
口腔内の衛生状態とインプラント周囲の炎症の発症並びに進行との間には密接な関連が指摘されています。
良好なプラークコントロールを維持することは、一口腔単位での歯周組織の維持・安定・並びにインプラント周囲組織の維持・安定においてとても重要です。
ですので、メインテナンスでは口腔内をチェックし、プラークコントロールが悪ければブラッシング指導などを行います。
プラークコントロールが不良で、プラークがインプラント周囲に付着しているとインプラント周囲に炎症が起こります。
インプラントと歯茎の間に深さについてチェックします。
プロービングとは、歯と歯茎の隙間の深さを調べることです。
この深さを調べることで歯の周囲の状態を知ることができます。
また、その部分が炎症しているかは出血があるかで判断します。
インプラントの場合も健康な歯と動揺にプロービング深さをチェックし、炎症による出血や排膿などがないかチェックします。
X線検査ではインプラント周囲の骨の状態を知ることができます。
定期的にX線検査を行うことで骨の吸収量を継続的に把握することができます。
インプラントの健康が保たれているかは年間で骨の吸収量(骨が減る量)が0.2㎜未満とされています。
インプラントが動揺しているとインプラントと骨との結合が喪失している炎症が起こっている可能性があります。
この状態になるとインプラントを維持することができなくなり抜け落ちる可能性があります。
II-インプラント自体
①スクリューの緩み、破折
インプラントには上の図の「スクリュー」と呼ばれる部品があります。適切に絞められたスクリューでも過大な力が繰り返し加わるとスクリューの緩みや破折を引き起こします。
咬む力が強かったり歯ぎしりが強い場合起こりやすいのでメインテナンスでチェックしていきます。
②上部構造(被せ物)の破折
咬む力が強い、歯ぎしりなどが原因でインプラントつつけた被せ物が破折することがあります。
被せ物の適合性や噛み合わせ、すり減り具合などをチェックしていきます。
③対合歯との状態
強すぎる噛み合わせや歯ぎしり、噛み合わせの調整不足によってインプラントの相手側の歯の健康が損なわれる可能性があります。
X線検査や噛み合わせの調整、歯を守るために寝ている間ナイトガードの装着などの対応を行います。
④隣在歯との隙間
インプラントと、ご自身の歯との隙間をチェックします。
隙間ができていると、食べ物が詰まりやすく汚れがつきやすく炎症を起こしやすくなします。
3セルフメンテナンスについて
歯科医院で定期的にメインテナンスを受けることは大事なことですが、毎日のセルフケアも欠かすことはできません。
口腔内を常に清潔な状態に保つことがインプラントの健康を維持することができるからです。
・ブラッシング
セルフケアの基本となるのは歯ブラシを用いた毎日のブラッシングです。
各々にあった歯ブラシでブラッシングし、インプラントの周囲や、口腔内全体を清潔にすることが大切です。
歯ブラシの選び方やブラッシング方法などは歯科医院で相談し、衛生士に教えてもらいましょう!
・フロスや歯間ブラシなどの補助器具
ブラッシングだけでは汚れが取れない部分にはフロスなどの補助器具を用いて清潔にしていきます。
4インプラントのメインテナンスの流れ
①口腔内診査
口腔内でインプラントや周囲の検査を行います。
チェックするポイントは2章で説明した項目です。
インプラント周囲組織とインプラントの上部構造についてチェックしていきます。
②X線検査
X線検査ではインプラント周囲の骨の状態の確認をしていきます。
前回と比べ変化があるか継続的にモニタリングし骨の吸収量を確認します。
インプラント周囲の骨の健康が保たれているかの基準は骨の減っている量が年間0.2㎜未満とされています。
③噛み合わせの確認
噛み合わせのチェックをします。
噛み合わせのバランスが悪く、インプラントに強い力がかかるとインプラントと骨との結合が喪失しく可能性があります。
噛み合わせをの不調和や荷重負担の有無を確認し、適切な噛み合わせに調整します。
④ブラッシング指導
口腔内の衛生状態とインプラント周囲に起こる炎症の発症や進行には密接な関連が指摘されています。
口腔内をチェックし必要な歯磨きの方法や、歯ブラシ以外の道具の使い方の指導などを行います。
⑤クリーニング
衛生士による歯のクリーニングを行います。
専用の機器や洗浄剤を使って口腔内をクリーニングしていきます。
セルフケアでは落としきれない汚れなどもキレイにしていきます。
そうすることにより、インプラント周囲に炎症が起こる要因を取り除くことができます。
5 メインテナンスを受ける頻度は?
インプラントのメインテナンスは基本的に3ヶ月に一度(年間4回)を目安に行います。
この頻度で2章で説明したチェックポイントを確認し、インプラントの健康を維持していきます。
もちろん、患者様それぞれの口腔内の状態やインプラントの状態によってメンテナンスの回数は変更します。
6 気になるメインテナンスにかかる費用は?
インプラント治療は保険適応外ですので、自由診療となります。
ですので、インプラントのメインテナンスも自由診療となり、費用は歯科医院によって異なります。
治療を受ける歯科医院で確認をして下さい。
治療している器具、口腔内の状態、インプラントのタイプなどでも費用は変わります。
ですので、メインテナンスの費用についてはそれぞれの歯科医院で確認をし、メインテナンスを受けるようにして下さい。
7 転院した時は
引っ越しで歯科医院を変えなければならない場合、インプラントのメインテナンスを受けるために転院先の歯科医院にインプラントの情報を伝えなければなりません。
インプラントには様々なメーカーやインプラント自体の種類などがあり、転院先の歯科医院に対応する器具がなければメインテナンスを行うことができません。
ですので、転院が必要な場合はインプラント治療を行なった歯科医院でこれらの情報をもらい、転院先の歯科医院でメインテナンスを受けられるか確認をしてください。
8 まとめ
・インプラントを長持ちさせるためにはメインテナンスは絶対必要!
インプラントは顎の骨に埋め込まれていてお口の中環境と体内(顎の骨の中)が繋がっている状態です。
そのため常にお口の中からの影響を受けているので、インプラントを長期的に健康な状態を維持するためにメインテナンスを必ず受けなければなりません。
・セルフメインテナンスについて
歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることは大事なことですが、毎日ご自身で行うセルフケアも欠かすことはできません。
口腔内を常に清潔な状態に保つことがインプラントの健康を維持することができるからです。
・メインテナンスを受ける頻度は?
インプラントのメインテナンスは基本的に3ヶ月に一度(年間4回)を目安に行います。
もちろん、患者様それぞれの口腔内の状態やインプラントの状態によってメインテナンスの回数は変更します。
・気になるメインテナンスにかかる費用は?
インプラント治療は保険適応外ですので、自由診療となります。
ですので、インプラントのメインテナンスも自由診療となり、費用は歯科医院によって異なります。
治療を受ける歯科医院で確認をして下さい。
・転院した時は
転院が必要な場合はインプラント治療を行なった歯科医院でこれらの情報をもらい、転院先の歯科医院でメインテナンスを受けられるか確認をしてください。
以上がインプラントのメインテナンスに関する説明になります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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