歯の痛みなど
お急ぎの方はこちら

- ご予約優先 -

- 受付時間 -

午前9:30-13:00
午後14:30-19:00
※最終受付:18:30
※水曜17:00まで
※休診日:
   木曜・日曜・祝日
ネットから
診療ご予約

妊娠中の歯周病リスクと胎児への影響

2024.12.25 (最終更新日:2024.12.25)

皆さん、こんにちは。大阪市都島区のアスヒカル歯科です。妊娠は女性にとって大きな変化の時期であり、身体的な負担が増えるだけでなく、ホルモンバランスの変化によって歯周病リスクも高まることが知られています。今回のコラムでは、妊娠中に歯周病リスクが高くなる理由、歯周病が胎児に与える影響、そして妊娠中でも歯周病治療を受ける重要性について解説いたします。妊娠中の健康管理をしっかりと行い、健やかな妊娠生活を送りましょう。

1 妊娠中に歯周病リスクが高くなる理由

妊娠中は歯周病のリスクが通常よりも高くなります。これはいくつかの要因によるものです。以下ではその理由を4つの小見出しに分けて詳しく解説します。

1-1 ホルモンバランスの変化

妊娠中にはエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが急激に増加します。これにより歯茎の血流が増え、炎症を引き起こしやすくなります。このため、歯周病菌に対する抵抗力が低下し、歯周病のリスクが高まります。妊娠性歯肉炎と呼ばれる歯茎の炎症が発生しやすく、歯茎の腫れや出血といった症状が見られることがあります。これらの症状がある場合は、早めの受診が推奨されます。歯茎の健康を保つことが、母体の全身の健康にも繋がります。

1-2 免疫力の低下

妊娠中は体が胎児を異物として排除しないように、免疫機能が変化します。この免疫力の低下は、感染症に対する抵抗力を弱めるだけでなく、歯周病菌に対する防御力も低下させます。特に歯周病菌が歯周ポケット内で増殖しやすくなり、歯周病の進行が加速することがあります。免疫機能の低下により、体内の炎症反応が増加し、歯茎の腫れや痛みが強まる可能性があります。そのため、妊娠中は口腔内の衛生状態を保つことがより重要になります。

1-3 食習慣の変化

妊娠中はつわりなどの影響で食生活が不規則になりがちです。つわりのために酸っぱいものや甘いものを欲することが多くなり、それに伴い砂糖の摂取量が増えることがあります。また、頻繁に間食を摂ることで口腔内のpHが酸性に傾きやすくなり、細菌の増殖を助長します。このような食習慣の変化は、口内の細菌が増殖しやすい環境を作り、結果として歯周病のリスクを高めます。さらに、つわりによって歯磨きが困難になることもあり、プラークが蓄積しやすくなります。歯茎の炎症が進行する前に、可能な限り口腔ケアを行うことが重要です。

1-4 歯磨き習慣の乱れ

妊娠中のつわりによって歯磨きが難しくなることがあります。特に吐き気を催すためにブラッシングを避けるようになると、プラークがたまりやすくなり、歯周病が進行する原因となります。さらに、嘔吐が頻繁に起こる場合、胃酸が口腔内に残留し、歯や歯茎に悪影響を与えることがあります。このため、つわりの影響で歯磨きが十分にできない場合は、水でのうがいやフッ素入りのマウスウォッシュを利用することが推奨されます。妊娠中でもできるだけ口内を清潔に保つことが重要であり、パートナーや家族のサポートを受けることで、口腔ケアを怠らないようにしましょう。

2 妊娠中の歯周病の胎児へのリスク

妊娠中に歯周病が進行すると、母体だけでなく胎児にも影響を及ぼす可能性があります。特に、歯周病が早産や低体重児出産のリスクを高めることが知られています。

2-1 早産・低体重児出産を誘発する可能性

歯周病が進行すると、歯周ポケット内の細菌が血流に乗って全身に拡散することがあります。この際、体内で炎症を引き起こす物質であるプロスタグランジンやインターロイキンが産生され、これらが子宮収縮を促進することがあります。その結果、早産や低体重児出産といったリスクが増加するのです。特に妊娠後期に歯周病が悪化すると、その影響が胎児に及ぶ可能性が高くなるため、妊娠中の口腔ケアが非常に重要です。

また、歯周病による炎症が慢性化すると、全身の炎症反応が強まり、胎盤を通じて胎児に影響を与える可能性があります。例えば、低体重児として生まれた赤ちゃんは、その後の成長過程で免疫力が低下しやすく、感染症にかかりやすくなるリスクが高まることが知られています。母体の健康が胎児の発育に直結していることを理解し、妊娠中の歯周病予防がいかに重要かを再認識する必要があります。

さらに、歯周病に関連する全身的な健康リスクも考慮する必要があります。例えば、歯周病は糖尿病や高血圧とも関連があり、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群のリスクを高める可能性があります。これらの合併症は胎児の発育に悪影響を及ぼすため、歯周病の予防と管理が重要です。

3 妊娠中でも歯周病治療は受けましょう

妊娠中に歯周病が発見された場合、治療を先延ばしにしないことが重要です。適切な時期に治療を受けることで、母体と胎児の健康を守ることができます。

3-1妊娠中期が歯周病治療に適している

妊娠初期(1~3ヶ月)や後期(7~9ヶ月)は、母体の体調や胎児の成長に影響を与えるリスクが高いため、歯科治療は控えることが一般的です。しかし、妊娠中期(4~6ヶ月)は比較的安定しており、歯周病治療を行うには最適な時期とされています。妊娠中期に歯周病治療を受けることで、歯茎の炎症を抑え、胎児への悪影響を防ぐことが期待できます。

歯周病の治療には、歯石除去や歯周ポケット内の洗浄が含まれますが、これらの治療は母体に負担をかけることなく安全に行うことができます。また、妊娠中期には局所麻酔を使用しても胎児への影響が少ないとされています。ただし、治療前には必ず産婦人科医と相談し、治療の適否を確認することが重要です。

また、歯周病の予防には定期的な歯科検診が欠かせません。妊娠前からの口腔ケアの徹底と、妊娠中も無理のない範囲で歯科医師の診察を受けることが推奨されます。特に妊娠中は歯茎が敏感になりやすいため、プロフェッショナルクリーニングを受けることで歯周病予防に繋がります。さらに、歯科医師からの適切なブラッシング指導を受けることで、自宅でのケアをより効果的に行うことができます。

妊娠中は精神的にも身体的にも負担が大きいため、パートナーや家族の協力を得ながら、口腔内の健康を保つことが大切です。特に、日々のブラッシングやフロッシングの際に少しでも歯茎の出血や腫れを感じた場合は、早めに歯科医師に相談することをお勧めします。早期の対応が、妊娠中の健康リスクを軽減し、胎児の健やかな発育を支えることに繋がります。

4 妊娠中の歯周病を予防する方法

妊娠中の歯周病を予防するためには、日常生活の中でいくつかのポイントを押さえることが重要です。以下では、歯周病を予防するための5つの方法について解説します。

4-1 正しいブラッシング方法を実践する

妊娠中は歯茎が敏感になりやすいため、ブラッシングの際には優しく丁寧に行うことが大切です。ソフトタイプの歯ブラシを使用し、歯と歯茎の境目を意識して磨くことで、プラークの蓄積を防ぎます。また、1日2回以上のブラッシングを習慣化し、食後や就寝前のブラッシングを特に重視することが歯周病予防に効果的です。

4-2 フロスや歯間ブラシを活用する

ブラッシングだけでは歯と歯の間に溜まった食べカスやプラークを完全に取り除くことは難しいため、フロスや歯間ブラシを活用することが推奨されます。特に妊娠中は歯茎が腫れやすく、歯周ポケットが深くなることがあるため、フロスを使って丁寧に歯間の清掃を行うことで歯周病予防に繋がります。フロスが使いにくいと感じた場合は、もしかしたら歯間ブラシの方が適しているかもしれません。どちらも歯と歯の間の汚れを効率良く除去する補助的清掃器具ですが、歯間距離が広い場合は、ヘッドの部分が大きい歯間ブラシの方がプラークや食べカスなどを取り除きやすいです。

4-3 バランスの取れた食生活を心掛ける

妊娠中は栄養バランスの取れた食事が重要です。カルシウムやビタミンC、ビタミンDなど、歯や歯茎の健康に必要な栄養素を積極的に摂取することで、歯周病の予防に効果が期待できます。特にビタミンCはコラーゲンの生成を助け、歯茎を健康に保つ役割があります。甘いものの摂取を控え、野菜や果物、乳製品をバランスよく取り入れた食事を心掛けましょう。

4-4 定期的に歯科検診を受ける

妊娠中は歯科検診を定期的に受けることが重要です。妊娠前から定期検診を受けている方は、妊娠中も引き続き歯科医師の指導のもとで口腔内の健康状態を確認しましょう。歯科医師によるプロフェッショナルクリーニングや、歯周ポケットのチェックを受けることで、歯周病の早期発見・早期治療が可能となります。

4-5 ストレスを溜めないように心掛ける

妊娠中はホルモンバランスの変化により、精神的なストレスを感じやすくなります。ストレスは免疫力を低下させ、歯周病のリスクを高める要因の一つです。リラックスできる時間を作り、適度な運動や趣味を楽しむことで、ストレスを軽減し、免疫力を維持することが大切です。パートナーや家族とのコミュニケーションを大切にし、サポートを受けながら健康的な妊娠生活を送りましょう。

5 まとめ

今回は、妊娠中の歯周病リスクと胎児への影響について、大阪市都島区のアスヒカル歯科が解説しました。妊娠中はホルモンバランスや免疫機能の変化により、歯周病のリスクが高まります。歯周病は母体だけでなく胎児にも悪影響を与える可能性があり、早産や低体重児出産のリスクを増加させることが知られています。そのため、妊娠中期には適切な歯周病治療を受け、口腔内の健康を保つことが重要です。妊娠中の方は、健康な妊娠生活を送るためにも、日々の口腔ケアと定期的な歯科検診を心掛けましょう。当院では妊娠中の患者さんにも安心して治療を受けていただけるよう、十分な配慮をしておりますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。
歯科では、歯周病の予防から治療まで幅広く対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

コメント

CAPTCHA