洗口液初めてガイド!【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】
2020.05.01
アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回は洗口液についてお話していきます。
〜いつ何をどう使う?歯周病予防の為に〜
様々な製品が販売されている洗口液。歯周病予防に使ってみたいけど、たくさんあってどれを選べば良いかわからないって方も多いでしょう。お口の状況は人によって異なります。基本的にはその人の口にあったものを、歯科医院で選んでもらい、使い方を教えてもらうのが1番です。
とはいえ、洗口液とはどのようなものなのか理解しておくと、自信を持って使い続けられます。今回は洗口液をセルフケアに取り入れようというかたに、歯周病治療と予防の観点から、選び方、使い方をお伝えします。
似てるけど違う!洗口液と液体歯磨き!
洗口液と液体歯磨きはどちらもボトルに入って売られいます。洗口液を使ってみよう!と思ったら、まずその製品がどちらなのか確認しましょう。今からご説明いたします。
お口の健康を気遣って、新たに洗口液を毎日のケアにとりいれようとしているあなた!とても素晴らしい事です。
液体タイプのオーラルケア製品を選ぶ時には、まずそれが「洗口液」であるか、それとも「液体歯磨き」であるかにご注意下さい。洗口液も液体歯磨きも同じようなボトルに入っていて、ドラッグストアなどで同じ棚に並んでいます。この2つを混同して使っている方が意外に多いのです。洗口液は、基本的に「歯磨きをしてから使う」、液体歯磨きは「使ってから歯磨きをする」というように使う順番が全く逆なのです。液体歯磨きはその名の通り「液体状の歯磨き剤」ですから、歯を磨く前に使うんです。とはいえ、製品のラベルにはマウスウォッシュ、デンタルウォッシュ、デンタルリンス、オーラルリンス、マウスリンスと行った表記はされていても、洗口液なのか液体歯磨きなのかは目立つように書かれていない事がよくあります。ですので「どれが、洗口液でどれが液体歯磨きなのか?」とわからなくなってしまうのは無理もないのです。でもご心配無用です。商品の裏側にある製品ラベルの製品名の下や、成分表示の近くに、ラベルの四角で囲まれた部分に洗口液か液体歯磨きか記載してあります。同じブランドでも、製品によっては洗口液だったり液体歯磨きだったりすることもあるので、ラベルのチェックをお忘れなく。
洗口液の場合は製品名には「マウスウォッシュ」「オーラルリンス」と表記されている事が多いです。
洗口液の推奨される使用方法は、毎日の歯磨きに加え使用します。歯磨き後や就寝前の使用がお勧めです。
液体歯磨きの場合は製品名に「デンタルリンス」と表記されている事が多いです。
液体歯磨きの推奨される使用方法は、すすいでお口の中に行き渡らせた後、歯磨きをします。
ぜひ参考にしてみて下さいね。
さて、洗口液と液体歯磨きの違いについてご説明してきました。
次は、歯周病予防にどのような効果があるのかどうかをご説明いたします。
歯周病予防には歯磨きと洗口液のセットがおすすめ!
歯周病予防に洗口液を使うなら、歯磨きとの併用が理想的です。バイオフィルムを壊して、成分が働きやすい土俵を作りましょう。
テレビのCMなのではm洗面所の前にたったタレントが、洗口液を口に含み、数回クチュクチュとうがい。気分のリフレッシュを表す爽やかな画面効果とメロディーの後に、白い歯を見せて微笑む、というパターンがよくみられます。これはCMの制限時間上、仕方がなのでしょうが・・・洗口液の効果を引き出すには歯磨きとの併用が必要不可欠です。歯周病には細菌の塊である「バイオフィルム」(プラーク)を原因とする細菌感染症です。細菌の毒素の作用により、歯肉に炎症が起きたり、歯を支える顎の骨が吸収されてしまうのです。バイオフィルムは歯の表面に細菌たちが集まってできる膜状の集合体で、個人差はありますが、およそ48時間後から形成され始めます。この膜は歯周病細菌などの細菌たちを外的から守るバリアとなり、洗口液のどの殺菌成分はバイオフィルムができていると届きにくくなります。ですから、洗口液を使う際には、このバイオフィルムを物理的に壊さなくてはなりません。その為に必要なのが歯磨きなのです。とはいえ、実際には忙しくて歯磨きできる余裕がない!という人もいるかもしれません。そういうときにも効果が出やすい洗口液の成分がありますので、PART3でご紹介いたします。ちなみに「洗口液を使えば、歯磨きはしなくていい」と考えている方も時々いますが、洗口液は歯磨きの代わりになるもではありませんので、注意して下さいね。
歯磨き後すぐに使うならこのタイプ!
洗口液を使う前に歯磨きができる環境なら、歯の表面やバイオフィルムの表面に付着するタイプの殺菌作用を含んだ洗口液がおすすめです。
歯周病予防の為に洗口液を使おうとしているあなた、どのような使い方をお考えでしょうか?洗口液は「歯磨きとの併用が効果的」だということを先ほどご説明いたしました。セオリー通り、洗口液を使う前に歯磨きができる事が多いのなら、次の成分が入った洗口液をおすすめしています。
・グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)→コンクールF・バトラーCHX洗口液
・セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)→モンダミンプレミアムケア・ガムナイトケアリンス
・ベンゼトニウム塩化物(BTC)→ネオステグリーンうがい液・ベンゼトニウム塩化物うがい液
これらの成分は、歯の表面やバイオフィルムの表面、お口の粘膜の表面に付着して、殺菌作用を発揮するという性質があります。加えて、歯の表面などに吸着することで、細菌たちが集まってバイオフィルムを再形成するのを抑制する効果も期待されます。バイオフィルムの内部に浸透する力はありませんので、歯磨きの後でできれば1〜2分以内で使用するのが効果的です。
さて、歯周病予防の為の洗口液の使い方と、歯磨き後に使用するならどの洗口液が良いかを説明させて頂きました。
次は、どうしても今日は歯磨きができない!すぐ寝たい!という方のために、効果が出やすい洗口液をご紹介したいと思います。
歯磨きができないときはこのタイプ!
洗口液を使用する前に歯磨きができないなら、バイオフィルム内部に浸透する成分を含んだ洗口液がおすすめです。
洗口液は歯磨きとセットが理想的とお伝えしたものの、お昼休みが短かったり、夜疲れていてどうしてもそのまま寝てしまったりと実際は洗口液でうがいするぐらいしか時間がないってことありますよね。そうした場合には、次の成分を配合した洗口液やうがい薬がおすすめです。
・エッセンシャルオイル→アセスメディクリーン・リステリンクールミント
・ポピドンヨード→イソジン
これらの成分は、歯の表面に形成され始めたバイオフィルム内に浸透して、短時間で殺菌作用を発揮します。細菌たちが作った膜の中に入り込んで、攻撃する力があるんですね。とはいえ、時間がたってバイオフィルムが成熟して厚くなると、浸透する効果は弱まります。バイオフィルムの層が薄いほど中に入っていけるので、使うのは歯磨きあらあまり時間を空けない方がいいでしょう。前回の歯磨きから遅くとも6時間〜7時間、できれば5時間以内にも使用するようにしましょう。
エッセンシャルオイルって何?
エッセンシャルオイルとは、植物に含まれる有機物合物で、揮発性の芳香物質を含みます。簡単に言えばハーブですね。エッセンシャルオイルを主成分とした洗口液は「リステリン」が知られており、シネオール・チモール・サリチル酸メチル・メントールがエッセンシャルオイルにあたります。(「アセスメディクリーン」のカミツレ・ラタリア・ミルラもハーブの一種です)殺菌作用の他に抗菌作用もありますよ。エッセンシャルオイルはアロマテラピーにも使われていますが、洗口液に使われているものはそれよりずっと低濃度です。とはいえ飲み込まないようにしましょう。
YOUは何をしたくて洗口液を?
洗口液を選ぶときには、使う目的が何なのかも大切なポイントです。成分は製品のラベルにも書いていますので、参考ししてみましょう。
洗口液には殺菌成分の他にも、歯肉の炎症を抑えたり、バイオフィルムの形成を抑制したりする成分が入っているものがあります。洗口液をお選びになる際には「歯肉の腫れを抑えたい!」「口臭対策がしたい!」などご自身が何のために洗口液を使用するのかはっきり意識しておくと、ぴったりの物を選びやすくなります。
・トラネキサム酸・アミノカプロン酸・グリチルロン酸→抗炎症剤(歯肉の炎症を抑えます)
・デキストラナーゼ→バイオフィルムの形成を抑制(プラークを分解)
成分名は洗口液のラベルに記載してあります。長く使い続けるためには、もちろん味や刺激感なども考慮してみてください。なお、洗口液が効果を発揮するには、使用方法に記載されている時間だけ、すすがなくてはなりません。ラベルには「口に含み、20秒〜30秒ほどすすいでから吐き出してください」などと書かれています。この20秒〜30秒は意外に長く、実際はかなり短い時間しかすすいでいない方も多いようです。効果を発揮させる為にも所定の時間分はしっかりすすぎましょう!
どうですか?洗口液についてご説明させて頂きました。歯周病予防に今回は視点を当てていますが、虫歯予防に効果的な洗口液ももちろんあります。自分はどの洗口液が口に合っているのだろうか?と思った場合は当院のスタッフにぜひ聞いてみて下さいね。
当院の待合室には、歯科関連の情報誌としてnicoを置いておりますので、待ち時間の合間に是非ご覧頂ければと思います。
何かご不明な点があればお気軽にスタッフまでご質問下さい。