使った歯ブラシは消毒する?しない?Part1【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】
2019.06.24
アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回は歯ブラシの消毒についてお話していきます。
皆さんは歯磨きをした後は、歯ブラシをどのように扱っていますか?
水で洗って終わりの方もいれば、消毒してから保管する方もいるかもしれません。
おそらく親の歯ブラシの保管方法を受け継いで、同じように保管されている方が多いのではないでしょうか。虫歯・歯周病予防には歯磨きが大事ですが、その歯磨きで一番必要となる歯ブラシの保管方法は改めて考えてみると疑問に感じることはないでしょうか。
口の中は細菌が多く存在しており、そこを掃除するのが歯ブラシなので、歯磨き後の歯ブラシは相当汚いです。正しい歯ブラシの保管方法を知っておかないと磨いても磨いても口の中の細菌が減らない事態陥る可能性も出てきます・・・
そこで歯ブラシの消毒・保管方法について2回に分けてお話していきたいと思います。
1回目は根拠となる文献の紹介、2回目はまとめとなります。
まぁ、あまり神経質になっても生き辛い世の中になるだけなんですけれど。
小児が使用する歯口清掃器具の細菌汚染に関する研究
小児歯科学雑誌30(2):3421992
4歳から12歳まで男児20名、女児25名の計45名を対象とし、未使用のガス滅菌済み歯ブラシで自由に刷掃した後、小児に洗浄してもらい、洗浄直後の歯ブラシに残存する細菌数を測定した。
1.乾燥が除菌効果に最も有効であることが示唆された。
2.歯ブラシ使用後の洗浄は、流水下で行い、歯ブラシ専用紫外線滅菌器や歯ブラシ除菌剤の使用も効果的であることが示唆された。
重心病棟における歯ブラシの消毒に関する検討
一般社団法人 国立医療学会療 47(2), 121-125, 1993
歯磨き及び歯肉マッサージ後のハブラシの汚染について、 近年反復する上気道感染症や歯性感染症の原因になっているのではないかとの報告がなされている。 加 えて重心病棟ではハブラシを一括して管理する場合が多いために、水平感染の予防への注意も必要である。
重心病棟に入院中の患者38人を対象に、各自食事後に歯磨きを施行したのち、それぞれのハブラシを5種の方法でハブラシの洗浄・消毒を行い、それぞれのハブラシに付着,生存する好気性菌の生菌数の測定及び同定を行った。
1、ハブラシに付着した口腔内常在菌の除菌については、0.5%グルタルアルデヒドを使用したものと70℃の温水で洗浄したものとがそれぞれ充分な除菌効果を得られた。
2、水道水流による洗浄や高温乾燥器の使用、0.1%次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒、洗浄は生菌数の減少が認められるものの効果的な除菌はできなかった。
3、グルタルアルデヒドは残留する毒性のためにハブラシの消毒には実際には不適と考えられるので湯を用いての洗浄が、重心病棟で日常行いうる有効なハブラシの管理手順になりうると考えられる。
4、ハブラシの除菌を日常充分に行うことは反復する上気道感染ならびに他児への水平感染の予防には有効であると思われる.
5、短時間でより有効な消毒を期するならハブラシが湿潤状態・乾燥状態にかかわらず、5分の電子レンジによるマイクロ波照射で充分な殺菌効果が認められた。
歯ブラシを販売しているサンスターのホームページより抜粋
ハブラシは消毒できますか?
変色、変形の恐れがありますので、塩素系殺菌剤、漂白剤、熱湯、精油は使用しないでください。
ハブラシの保管方法を教えてください。
使用後は流水でハミガキを充分に洗い落とし、水を切って風通しの良いところに立てて置いてください。
アメリカ歯科医師会では、歯ブラシを食器用洗剤で洗ったり、熱湯をかけたりすることは 、歯ブラシを傷めてしまうので よくないと提言しているようです。
少なくとも3~4か月に一度、またその前に歯ブラシの先が開いてきたらもっと早くに換える必要があるとも提言しているようです。
歯ブラシについて色々と分かってきましたね。
次回はまとめとなります。