歯が溶けていく・・・酸蝕症(さんしょくしょう)【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】

2019.07.29

アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回は酸蝕症についてお話していきます。

皆さん、『酸蝕症(さんしょくしょう)』という歯の病気をご存知ですか?
酸蝕症とは、酸性度の強い食べ物や飲み物、また逆流した胃酸に日常的にさらされることにより、歯が病的に溶けて、傷んでしまう症状を言います。

酸っぱい物を欠かさず食べる健康志向の食生活や、ストレス社会の中増え続けている逆流性食道炎など私たちの食生活や多忙な毎日との関わりがあるので、現代人ならではの生活習慣病となっているのです。

『酸蝕症・・・?自分は大丈夫!』と思っていたら、実はそれは大間違いなのです。

国内の実態調査では全世代を通じて、なんと4人に1人が酸蝕症との結果が出ました。むし歯や歯周病に次いで、第三の歯科疾患として注目されています。

歯はもともと酸が苦手で、酸に触れると化学反応を起こして溶けてしまいます。
とは言え、ほとんどの食べ物は酸性。味噌も醤油も穏やかな酸性です。
なのに歯が溶けて無くなってしまわないのは、唾液が酸を洗い流し中和して、歯を守ってくれているからなのです。

ただし、唾液の能力にも限界があります・・・
強い酸が口の中に繰り返し入ってくると、唾液の作用が追い付かずに歯が溶けてしまうのです。

むし歯も、むし歯菌の出す酸によって歯が溶けて穴が開いてしまう病気ですが、酸蝕症との決定的な違いは『被害範囲の大きさ』なのです。

むし歯は磨き残したプラーク(細菌のかたまり)の中に住むむし歯菌が、砂糖を食べて酸を出すことによって起きます。そのため、起きる場所は局所的です。
一方、酸蝕症は酸が触れてしまった歯面すべてで起きてしまうので、その被害は広範囲になりやすいのです。

また、硬いエナメル質が溶けて薄くなったところにむし歯ができると進行が加速してしまい、酸で柔らかくなった歯は摩耗・噛むことでのすり減りも病的に進行しやすく、トラブルが複合的に拡大しやすくなるのも酸蝕症の特徴です。

酸蝕症は、現代の食生活や生活習慣と関わりの深い病気です。
酸蝕症になりやすい要因をこの機会に知り、歯を溶かす習慣を止め、大切な歯を守っていきましょう。

【酸蝕症は現代病】何故なのでしょうか??
私たちの取り巻く酸の環境はここ数十年でガラリと変わりました。
季節ものだった柑橘類が一年中手に入るようになり、食卓では主菜にレモンやポン酢をかけ、デザートにはオレンジやグレープフルーツが並ぶようになりました。お酒も果汁たっぷりのチューハイやワインが大人気ですよね。

一方おやつは、コーラ飲料や柑橘ジュースがどこでも手に入ります。
グミやカリカリ梅などの菓子はとても酸っぱく、私たちの歯がつよい酸と出会う機会はうなぎのぼりなのです!

もうひとつ注目すべきは、健康志向。
柑橘系果物を毎日欠かさず食べ、飲酢する方が増えました。
意識の高い方ほど熱心に続けるため、酸蝕症のリスクが増大します。

現代人が陥りがちな『酸性飲食物の過剰摂取』にまず気づいて止める、これが大切なんです。

『過ぎたるは猶及ばざるが如し・・・』
酸の摂取は唾液が守ってくれる程度に抑えて、体だけでなく、歯の健康にも気を配っていきましょう!

当院の待合室には、歯科関連の情報誌としてnicoを置いておりますので、待ち時間の合間に是非ご覧頂ければと思います。
何かご不明な点があればお気軽にスタッフまでご質問下さい。

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