顎関節症について【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】

2020.11.01

 

アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回は顎関節症についてお話していきます。

顎関節症の用語集

 

 

 

 

顎関節症にも種類が!

『顎関節症』皆さんも一度はどこかで耳にしたことはあるのではないでしょうか?
あごが痛くなったり、口が開きにくかったり、はたまた口を開けると”パキン”と音が鳴ってしまったり、顎関節症に悩まされている方も多いと思います。

こうした症状が起きてしまう理由として、顎関節のどこに?そして何が起きているか?によって異なってくるのです。

それがこの4つに分類されます!

①筋肉痛
②ねんざ
③クッションのずれ
④骨の変形

この4つですね。

(本来は咀嚼筋痛障害や顎関節痛障害など名称がありますが、今回はわかりやすくするために筋肉痛やねんざなどの表現でお話しします。)

ご自身のタイプがどれであるのかを知ることが、治療と再発予防の近道になるんです。

まずは顎関節の仕組みを知ることから見てみましょう!

▷下顎頭(かがくとう)
下あごの骨の先の先端部分のことで、あごの動きに合わせて上下、前後、左右に動きます。

▷下顎窩(かがくか)
頭蓋骨にあり、口を閉じた時に下顎頭が収まるスペースのこと。
「窩」とは穴やくぼみの意味をさす。

▷関節円板(かんせつえんばん)
下顎窩と下顎頭の間にある板状の組織のこと。
あごの動きに合わせて移動することができ、骨と骨の間のクッションの機能を果たします。

▷咬筋•側頭筋(こうきん•そくとうきん)
顎関節を動かすための筋肉のこと。
咬筋とはあごのえら辺りから頬にかけて、側頭筋は側頭部から頬にかけて存在します。

つまり顎関節というものは単純に硬い骨だけがあるのではなく、軟骨や筋肉などたくさんの組織が集まって働きかけてくれるのです。
そしてそのうちのどの組織に異常が起きたかによって、症状や治療の方法が異なるんです!

では一つずつ確認していきましょう!

①筋肉痛
顎関節症の中でも、頬やあごの筋肉に炎症が原因の場合もあります!
つまり筋肉の”張り”や”こり”による『筋肉痛』タイプ。
症状としては、我慢すれば口を開けられるが、開けるたびに痛みを生じる。他にも偏頭痛がする、頬がだるい、重い、頬が腫れぼったい。などの症状があります。

顎関節症と聞くと、”顎関節の異常”と想像しがちですが、必ずしもそうであるとは限らず、顎関節を動かすための筋肉の痛みが、あごの痛みに感じられたり、口が開けずらかったりすることもあるのです。

先ほどもありましたが、顎関節には咬筋•側頭筋と呼ばれる筋肉が存在します。
どちらも咀嚼(そしゃく)をするのにとても大切な筋肉です。
しかしこの筋肉の片方、もしくは両方に無理がかかってしまうと痛みが出たり、口が開けずらかったりします。

筋肉マッサージや開口ストレッチを繰り返し行うことで、症状を緩和させていきます。

しかしこの筋肉痛タイプの方は、治療を放置してしまうことで慢性化してしまい、治りが遅くなることがあります。

症状が出てから数日〜数週間は筋肉痛の状態であったとしても、それ以上に放置してしまうとストレッチやマッサージをしても効果が出にくくなってしまうのです。

ですので症状を感じた方はすぐに歯科医師にお尋ねしていただけると良いと思います!

②ねんざ
先ほどの筋肉痛タイプ以外の3つは、関節内部に異常が起きているということです。
今からお話しする”ねんざ”も顎関節の内部を傷めてしまっているということになります。

関節には骨以外にも軟骨や靭帯、関節包といった組織がありますが、そこに無理がかかってしまうことで傷めてしまう『ねんざ』タイプ。
このねんざタイプの方は関節包の内部にある「滑膜(かつまく)」に炎症が起きています。

滑膜が炎症を起こすと、滑膜から滲み出ているヒアルロン酸の滑りが悪くなります。
そうすることでさらに炎症が増し、関節の動く範囲が小さくなってしまうということです。

これは炎症が起きてしまっていますので、症状を改善するにはまず、安静にすることが重要です。負担がかかるほど炎症を悪化させてしまうので、”痛い”と感じる動きは控えるようにしましょう。
必要に応じては、飲み薬で炎症を抑え、痛みが治ったら開口ストレッチを徐々に始めていきます。
このねんざタイプの方も治療が早ければ早いほど短期間で治りやすいと言われているので、早めに歯科医師に相談してみましょう!

③クッションのずれ
骨と骨の間にある組織、クッションの役割をもつ組織の位置がずれると、口を開ける時に音が鳴ったり、口が開かなくなったりします。
このクッションのずれにも2つのタイプがあります。

1つ目は口を開ける時に”カクッ”とか”ポキッ”と音がし、痛みはある場合と無い場合があります。

2つ目は口を開けようとしても、引っかかったように開かない。または大きく口を開けると痛みを生じる場合があります。

骨と骨の間には関節円板と呼ばれるクッションがありますが、これがあることで下顎窩と下顎頭が直接ぶつかるのを防いでくれます。

1つ目も2つ目もこの関節円板のクッションがずれたり、無理に力がかかってしまうと痛みの症状が生じるのです。

関節円板のずれが問題なら、「元の位置に戻せば治るのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、たとえ無理に戻したとしても、症状が改善しないどころか、悪化させてしまう場合もあります!
ですので一番大切なことは、痛みを落ち着かせ、口が開けられるようにするということです。

1つ目のパターンの方は音が鳴るだけで痛みを感じなければ治療の必要はなく、経過を見させていただく場合が多いです。
2つ目のパターンの方は骨の変形タイプに移行する場合がありますので、定期的な検査が大切です。

どちらもご自身での判断は難しいと思いますので、やはり歯科医師にお尋ねしていただくのがとても大切だと思います!

④骨の変形
その名の通り、顎関節の骨が変形している”骨の変形”タイプ。
こうなると、口を開けようとすると痛みがあったり、引っかかるような感じがあります。
さらにはあごの関節から、『ザラザラ』とこすれるような音がしたりもします。

特に中高年の方に多いとも言われており、骨通しが擦れ合うことで、音が出たり、痛みを生じてしまうのです。

ではどうして骨が変形してしまうのか?
下顎窩と下顎頭の間には関節円板と呼ばれるクッションがあり、骨の表面を覆う軟骨も存在します。
しかし、関節円板が前にずれてしまい、さらに加齢により軟骨が薄くなると、下顎窩と下顎頭が直接当たるようになり、こすれることでやがて骨が変形していってしまうのです。

また軟骨は女性ホルモンの影響を受けるため、ホルモンが少なくなり、軟骨が薄くなりやすい中高年の方に多いと言われているのです。

クッションのずれを長い間放置することで悪化してしまい、骨の変形へと繋げてしまうため、やはり早めの処置はとても重要です!
まずは安静にさせて痛みを取り、口を開けられるようにするために、鎮痛剤を服用したり注射治療、開口ストレッチなどを行います。
もちろん経過観察も大切です。
歯科医師に相談をし、出来るだけ早い処置をおすすめいたします。

今回4つの種類をご紹介しましたが、まずは顎関節症にならないために、顎関節に対しての悪い”クセ”を見直しましょう!

つまり顎関節へ負担をかけないようにすることが大切です。
ではどのようなことで負担をかけてしまうのか?

歯ぎしりや食いしばり
ご自身で気づかずされている場合などはないでしょうか⁇
この歯ぎしりと食いしばりはあごの筋肉や関節に大変負担をかけてしまいます。
いわば過度な筋トレと同じです。

そしてもう一つがストレス!
ストレスは筋肉の緊張をまねき、これから歯ぎしりや食いしばりに繋げてしまうのです。

ストレスを軽減させる習慣を身につけたり、リラックスできる時間を設けたり、ストレスを少しでも減らし、顎関節症を予防できるように努めていきましょう!

(nicon 2020.06号より参照)

当院の待合室には、歯科関連の情報誌としてnicoを置いておりますので、待ち時間の合間に是非ご覧頂ければと思います。
何かご不明な点があればお気軽にスタッフまでご質問下さい。

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