適切な咀嚼回数【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】
2019.03.11
アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回は適切な咀嚼回数のまとめになります。
適切な咀嚼回数に関して、今回を含めて6回にわたり述べさせていただきました。
第一回では、日本咀嚼学会が30回という咀嚼回数を目安と考えていること、『噛ミング30』にて日本政府が一口30回以上と推進していたことから考えて、適切な咀嚼回数は30と覚えておいて良いことが分かりました。
第二回では、しっかり噛んでゆっくり食べた方が、肥満防止につながるだろうことが分かりました。
第三回では、早食いは肥満になるリスクあることが分かりました。
第四回では、2017年に話題になった『箸置きダイエット』について取り上げました。このダイエット方法は自然と噛む回数が増えるという点と一口ごとに箸を置くので早食いを防止できるという点で優れています。箸を置くことで、しっかり噛んでゆっくり食べることができ、肥満防止に繋がるわけです。ただ箸を置くだけですが、理にかなったダイエット方法なので試してみる価値はあるかもしれません。
第五回では、8020推進財団のホームページに掲載されている、噛む8大効用として、『ひみこの歯がいーぜ』という標語を紹介しました。
①肥満を防ぐ
②味覚の発達
③言葉の発音がはっきり
④ 脳の発達
⑤歯の病気を防ぐ
⑥がんを防ぐ
⑦胃腸の働きを促進する
⑧ 全身の体力向上と全力投球
過去の記事からもしっかり噛む事は健康に繋がるため、可能な限り実行していくのが良いでしょう。(気になる記事があれば過去分を見返してみてくださいね)
しかし、一方で、よく噛む事で顎の骨が発達して顔が大きくなるのではないかと心配されている方もおられるかも知れません。この疑問が生じる背景としては、現代人の顎の大きさが昔の人よりも小さくなっており、以前よりも柔らかい食生活を送っていることと関連付けて、あまり噛まないから顎が小さくなったという認識が広まっているのが原因ではないかと思われます。
顎の大きさは遺伝などの先天的な要因によって決定される部分が大きいと言われています。なので、現代人の顎が小さくなっているのは、人類の進化の過程であり、噛む噛まないは無関係と考えていいと思います。最近の研究では噛むことによる顎の大きさの変化はないと言われています。逆に良く噛む事で顎は大きくならないが、歯が生来の良い位置に移動して歯並びが良くなるとも言われています。ただし、歯の食いしばりの既往がある方は要注意で、食いしばりにより下顎角部の過成長・咬筋肥大が促され、エラがはる可能性はありえます。結論として、単なる食事による噛む動作のみでは顎の大きさの変化は考えなくて良いわけです。
お子さんを小顔にしたい親御さんは多いかと思いますが、お子さんにはよく噛んでご飯を食べるように言い聞かせるのが良いかと思います。
咀嚼に関して長々と続けてきましたが、結論としては、『よく噛む事は、良いこと尽くめ。一口30回を目安にしっかり噛んで食べましょう』となります。
当院の待合室には、歯科関連の情報誌としてnicoを置いておりますので、待ち時間の合間に是非ご覧頂ければと思います。
何かご不明な点があればお気軽にスタッフまでご質問下さい。