身長と歯の本数について【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】

2019.11.18

アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回は身長と歯の本数についてお話していきます。

国立研究開発法人 国立がん研究センターにて、身長と歯の本数との関連について調査が行われました。Asian Pacific Journal of Health Sciencesという海外の専門誌( 2016年3巻81₋88ページ)にて投稿された論文の内容となります。

身長は大腸がん、乳がん、循環器疾患などと関連があることが報告されています。また、身長と歯科疾患との関連を調査した研究も海外では行われています。身長とむし歯との関連を調べた研究では、身長の低い者ほど乳歯や永久歯のむし歯になるリスクが高いことが報告されています。食生活の乱れや不良な栄養状態が低身長やむし歯のリスクを高めるためと考えられています。さらに、低栄養状態は唾液の量や質を変化させ、むし歯への感受性を高めるとも考えられています。身長と歯周病との関連では、低身長の者ほど歯周病にかかるリスクが高いとの報告があります。感染を起こしやすい者では慢性的な炎症によって身体の成長が遅滞しやすく、感染症である歯周病にも罹患しやすいからと考えられています。しかし、日本において身長と歯の状況との関連を調べた研究はまだありません。

そこで、日本国内にて対象者1,214人(男性565人、女性649人)において、歯の本数との関連について解析が行われました。解析にあたっては、年齢、学歴、喫煙、糖尿病の既往、BMI、飲酒、ストレス、出産回数(女性のみ)、甘いお菓子や飲み物の摂取頻度、かかりつけ歯科医の有無、歯の清掃状態による違いが結果に影響しないように配慮されています。

身長と歯の状況との関連をみたところ、男性において身長の一番低いグループでは身長の一番高いグループに比べ約2本歯の本数が少なく、前歯と奥歯でそれぞれ約1本ずつ少ない結果となりました。また、自分の歯が24本未満となるリスクは、統計学的に有意ではないですが、身長が低いグループほど高くなる傾向にあり、身長と自分の歯が1本もない無歯顎との間には関連はみられませんでした。
一方、女性においては身長と歯の状況との間に関連は認められませんでした。

今回の結果では男性においてのみ身長と歯の本数との関連が認められ、女性においては関連がみられませんでした。その理由は不明ですが、妊娠・出産や女性ホルモンの変化など女性特有の要因が口の健康に影響を及ぼすこと、女性では保健知識や保健行動などが男性に比べ良好なことなどが関与しているためと推測されます。歯を失う2大要因はむし歯と歯周病です。身長や歯科疾患は小さい頃からの食生活や栄養状態などに影響を受けます。口や全身の健康のためには適切な生活習慣をより早期から確立することが必要と考えられます。また、今回の結果は一部の地域の対象者において得られたものです。今後、対象地域と対象者数を増やし、さらなる研究結果の蓄積が必要だと思われます。

ということでした。
つまり対象とした一部の地域での研究結果ではありますが、男性においてのみ、身長の低い人ほど歯の本数が少なくなるようですね。
歯を失わないためにも、頑張って身長を伸ばしていきましょう!!

当院の待合室には、歯科関連の情報誌としてnicoを置いておりますので、待ち時間の合間に是非ご覧頂ければと思います。
何かご不明な点があればお気軽にスタッフまでご質問下さい。

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