『スマートブラッシング』って❓【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】

2019.07.08

アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回はスマートブラッシングについてお話していきます。

2016年に厚生労働省が実施した「平成28年歯科疾患実態調査」によると、8020達成者は50%を超えました。しかし一方、4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は45~54歳で49.5%、55歳以上で50%を超えており、いずれの年齢層でも前回の調査時よりその割合は増加しております。また、歯と口の状態についての調査では、歯周病に関する自覚症状(歯ぐきが痛い、腫れている、出血がある、噛めないものがある)を感じる人が他の項目に比べて多いこともわかりました。「歯は残っているけれども、口が健康とはいえない」という心の声が聞こえてくるようです。
歯と口の健康を守るには「削って詰める」が主体の歯科医療よりも、「防ぎ守る」という予防管理型の歯科医療が適しています。成人の多くが罹患している歯周病の治療には歯周基本治療、SPT、メインテナンスとステップがあり、また各ステップに応じたプロフェッショナルケアや指導があります。そして健康管理の主役は患者さんですが、患者さんを見守り、適宜必要なサポートをするのに適切なのは歯科衛生士です。
「歯周治療の指針2015」によると「細菌性プラークを除去することは、歯周病の治療と予防の根幹をなす」「歯周治療の成否は、プラークコントロールに大きく左右され、歯周治療全体を通してつねに指導管理する必要がある」とあります。また「プラークコントロールを成功に導くためには、患者教育と口腔衛生指導および口腔保健指導が重要となる」「患者自身が行うセルフケアは歯周治療の根幹であり、今後の歯周治療の成否を左右するだけではなく、治療後の安定した歯周組織を維持する上できわめて重要である」ともあります。少々くどいかもしれませんが、それだけ重要だということです。要するに「歯周病の予防と治療の根幹はプラークコントロールにあり、そのプラークコントロールの成功にはセルフケアを中心とした指導が重要である」とういことです。
プラークコントロールは歯周病の治療と予防の根幹です。
プラークコントロールのターゲットはバイオフィルムですが、見るべきものは「質」、つまりは細菌叢であり、その病原性です。つまり、プラークコントロールの目的はやみくもにバイオフィルムを完全に除去することではなく、「バイオフィルムの細菌叢を知り(あるいは推測し)、その高病原性を防ぐこと」、また高くなっても、元の病原性の低いバイオフィルムに戻すことで「バイオフィルムの質を変えること」にあります。その結果、歯周治療の目標である歯周組織と病原性の均衡状態を維持することができます。
そして、ブラッシングはプラークコントロールを支える重要な柱ですから、「バイオフィルムの高病原化を防ぎ、均衡状態を維持する」ためのものと考えます。ブラッシングのヒントがここにあります。これからのブラッシング指導はバイオフィルムの病原性に応じたスタイルでいきたいですね。これが「スマートブラシング」です。

当院の待合室には、歯科関連の情報誌としてnicoを置いておりますので、待ち時間の合間に是非ご覧頂ければと思います。
何かご不明な点があればお気軽にスタッフまでご質問下さい。

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